日本とは違って、地下鉄内での通話は自由な香港。しかし、かつては非常に賑やかだった車両内も、ほとんどの乗客がスマホいじりに没頭するのが当たり前の光景になり、大変静かになっている。

 コロナ禍で在宅ワークが増えてから、ワークライフバランスは良くなったと感じる人が多い一方、会議もオンライン率が高まり、入浴中もスマホを手放さない人も増えるなど、デジタルへの依存度はさらに高まっている。そんな世相を反映したのか、6年前にローンチしたあるスパ・トリートメントの人気が目立って高まっているという。

男性リピーターが好むスパ・トリートメント

 それは香港の老舗ホテル、マンダリン オリエンタル香港のスパで展開する「デジタル・ウェルネス・ジャーニー(DWJ)」というトリートメントだ(ちなみに同ホテルのスパ「ザ マンダリン スパ」レセプションの窓からは、右上写真のような周辺の一流企業が密集する高層ビル街が見渡せる)。

 「現在はコロナ禍の影響で海外からの宿泊客が少ないため、スパのゲストには、近隣の一流企業で働く地元のビジネスマンが多い。特に重役クラスの男性が、DWJを気に入り、リピーターになるケースも多いのです」と、マンダリン オリエンタル 香港スパ・ディレクターのジェネシス・デイ・ラガスカ氏。

 ラガスカ氏によると、スパ利用者の男女比率は、かつては圧倒的に女性の割合が多かったが、最近では男性が増えつつあり、35:65程度になっているという。

 「傾向として、女性は色々試したいので毎回違うトリートメントを選ぶのですが、男性の場合は、一度気に入ると同じトリートメントを受け続けますね。何を選ぶかで悩みたくない、という心理も働くようです」

マンダリン オリエンタル 香港スパ・ディレクターのジェネシス・デイ・ラガスカ氏(左)とセラピストのラキ・グルング氏(写真:筆者撮影、以下同)
マンダリン オリエンタル 香港スパ・ディレクターのジェネシス・デイ・ラガスカ氏(左)とセラピストのラキ・グルング氏(写真:筆者撮影、以下同)
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 このスパの特徴は、ホテル全体のコンセプトと同じく東西融合。香港で盛んな中医学(日本で言う漢方)をベースにしたトリートメントを得意としている。このDWJも、ゲストの体調を「万物は火、水、木、金、土の5元素から成る」という中国の五行思想をベースにして、経絡を刺激するオイル・マッサージが柱になっている。

 デジタル機器の使用で疲れた心身を癒やすために香港で開発されたDWJは、今や世界中のマンダリンのスパで取り入れられているという。

 恥ずかしながらスマホが手元にないと落ち着かず、常にメッセージやメールをチェックしないではいられない筆者も、DWJとはどんなことを行うのか、効果はあるのかとか興味を感じて体験してみた。

この日トリートメントを受けたカップルスイートにはサウナ設備も。デジタル・ウェルネス・ジャーニー(90分)は平日1950香港ドル、週末2200香港ドル
この日トリートメントを受けたカップルスイートにはサウナ設備も。デジタル・ウェルネス・ジャーニー(90分)は平日1950香港ドル、週末2200香港ドル
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