製品化の思わぬ障壁

 しかし、ツィム教授の研究成果を製品にするために動き出したレイ氏は、意外なところで壁にぶつかったと言う。

 「マスクに貼り付けるパッチという一見単純そうなものに、こんな手間がかかったとは誰も想像できないはず」とレイ氏が言うように、半年間で4カ所も工場を変えて試行錯誤を続けたという。

 「衣服の布地に貼り付けるシールは製法が確立されていたけれども、マスクにシールを貼ろうという人は今までいなかったため、参照できるリサーチがなかった。しかも、中には複雑なフォーミュラのオイルを含ませている。ちゃんと貼り付くこと、簡単に剥がれないことを確実にするために、工場を渡り歩き試行錯誤を繰り返した。今でも完全に満足いているわけではなく、質を向上させるべく努力を続けている」

マグネット式マスク用ディフューザーは7月から発売開始。円形の使い捨ての綿に抗コロナウィルスのオイルを垂らしてケース内に入れて、マスクに取り付ける
マグネット式マスク用ディフューザーは7月から発売開始。円形の使い捨ての綿に抗コロナウィルスのオイルを垂らしてケース内に入れて、マスクに取り付ける
[画像のクリックで別ページへ]
香港のスーパーモデルであるユーニス・チャン氏も、#MillionSmileHKに参加して、SNSに写真をアップ(写真提供:Eunis Chan)
香港のスーパーモデルであるユーニス・チャン氏も、#MillionSmileHKに参加して、SNSに写真をアップ(写真提供:Eunis Chan)
[画像のクリックで別ページへ]

 レイ氏の事業方針は「事業と社会で価値を共有し、愛と笑顔を送る」。その意図を反映させた社会貢献事業として、「#MillionSmileHK(100万の笑顔)」をSNS上で展開している。

 「企業による1000枚以上の購入、個人による200枚以上の購入で、同じ枚数のパッチがNGOに寄付される事業。自分が着用している姿をFBページなどSNSにアップしてもらい、100万人の笑顔の写真を集めたら、ギネスブックへの記録登録を申請する予定だ」