クラウドのサービスの種類

 クラウドが出てきて、自分で行う作業が変わってきてしまった。「クラウド」では複数の顧客のニーズをまとめてサービスとして提供する会社があり、そこに相乗りし、シェアして利用することで、安く、かつ、必要な量だけ利用できる、という仕組みがでてきている。例えば、Gmailなどの電子メールサービスや、Office 365などのソフトウェアサービスは、かつては自らのPCにソフトウェアのインストールが必要であったが、今はインターネットにつながっていれば、アカウントを作成するだけで利用可能となった。さらに、サーバが物理的にどこにあるかも気にせず、自分でサーバのメンテナンスも必要なく、お金を払うのみでサービスを受けられるようになっている。

 一般に、クラウドを使うメリットとして、需要に合わせたスケーラビリティ、利用分のみの課金、セットアップの時間の短縮、冗長性を持っているため災害対策コストの低下、外部に管理を委託できるマネージドサービスに依存できる部分の増加などが挙げられる。特に、UXの目から見ると、遠隔から管理や監視が可能なこと、適宜、アップデートやフィードバックをかけることが可能なことなどがメリットである。短いサイクルで、ユーザとのインタラクション結果のループを回すことができ、改善をすることができるのは魅力的である。極端なことをいえば、マネージドサービスをうまく利用することで、自分の得意分野のみに集中することができるようになったわけだ。

 オンプレミスで自社サービスを立ち上げる際にどうするかを考えてみよう。まずハードウェアのサーバが必要なため、物理的にサーバを購入し、ネットワークがつながるところに設置をする、いわゆる「インフラ」整備である。次に、OSを入れたりミドルウェアを入れたりと、いわゆるコンピュータとしてきちんと利用できるように整備する、いわゆる「プラットフォーム」整備である。最後に、アプリケーションソフトウェアをインストールし、ユーザが利用できるように設定していく「アプリケーション」部分である。この「インフラ」「プラットフォーム」「アプリケーション」が必要となるわけである。

 クラウドでサービスを提供する際にも同じことが起こる。「インフラ」の設定、「プラットフォーム」の設定、「アプリケーション」の設定、である。クラウドのサービスは、これらのどの段階からでも利用できるように、様々なラインアップがサービスとして提供されている。「インフラ」のみを提供するサービス、「インフラ」と「プラットフォーム」を提供するサービス、「アプリケーション」自体を提供するサービスである。

 これらの3段階のサービスについて名前がついているので説明をしよう。IaaS(Infrastructure as a Service)はCPUやストレージ、ネットワークといったコンピュータのリソースを提供する「インフラ」をサービス化したものである。PaaS(Platform as a Service)はさらにOSや運用などの基本機能を「プラットフォーム」として提供するものである。SaaS(Software as a Service)はさらに「アプリケーション」もサービスとして提供するものである。例えば、クラウド上のデータベースサービスを利用して検索する、などは、ソフトウェアのサービスなので、SaaSとなる(図2)。

図2● IaaS、PaaS、SaaSのイメージ