公共セクターでのクラウド

 このクラウド、ビジネス分野だけでなく、政府や自治体でも導入され始めている。例えば、政府のクラウド方針について見てみよう。2018年6月7日に決定された「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」1)においては、クラウド・バイ・デフォルトの考え方が出され、クラウドの利用を検討するプロセスも出されている(表1)。アプリケーションを提供するSaaSを基本に考え、その後、「インフラ」の利用検討に進むという流れである。ここで記載されているパブリック・クラウドは、一般的に利用されるクラウドについてである。プライベート・クラウドは、専有したクラウドであり、他社と共有されないサービスである。その分、コストはかかるようになる。このクラウド・バイ・デフォルトの考え方により、全省庁において、2020年秋からクラウドが導入されていく流れとなっている。

1)政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針

表1●クラウド・バイ・デフォルトの原則に基づく利用検討プロセス
(出所:政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針)
    Step 0: 検討準備
     ↓
    Step 1: SaaS(パブリック・クラウド)の利用検討
     ↓
    Step 2: SaaS(プライベート・クラウド)の利用検討
     ↓
    Step 3: IaaS/SaaS(パブリック・クラウド)の利用検討
     ↓
    Step 4: IaaS/SaaS(プライベート・クラウド)の利用検討

 2020年2月8日付の日経新聞においても「政府の基幹クラウド、アマゾン傘下に 防衛・年金が今後の焦点 中国勢は回避」と記載され、2020年秋以降の各省庁で共通で導入するクラウドについて、Amazon Web Serviceを採用する方針であることが記載されている2)。このように公共セクターでクラウドは今後、標準になっていくことが予想できる。個人的には公共サービスが、利用者数に応じて柔軟にサービスの開発や展開が可能になり、様々なデジタルサービスで便利になることは好ましい。

2)2020年2月8日付の日経新聞