「現在約8000ある病院は、多くても4000あれば済む」

 2020年3月25日に開催された中央社会保険医療協議会・総会では、2018年度のDPC退院患者調査が報告された。直近の過去5年間を見ると、DPC病院では、出来高病院に比べて「平均在院日数の短縮」の度合いが大きいこと、そしてDPC病院では「平均在院日数の短縮」と「病床利用率の向上」が両立できていることが示された。これはDPC病院では「平均在院日数の短縮」に伴い、病床数が空き、それを補うために集患に努めた結果であろう(幾つかの病院はダウンサイジングし病床を減らした結果、病床利用率を維持できたと考えられる)。一般急性期の看板を掲げる病院にとって、もはや出来高に残ることは選択肢ではない。DPCを受け入れ、それを追い風にすべく、体制を「今」整えるしかない。

 日本には病院が津々浦々にある。米国の人口は日本の2.5倍、面積では日本の約25倍である。にもかかわらず、日本にある病院数が8281(2020年1月末時点)であるのに対し、米国の病院数は6146。日本の病院数は、米国よりも圧倒的に多いのだ。日本国の医療法では病床数が20床以上の医療施設を「病院」、20床未満を「診療所」と定義している。10万強ある「診療所」の内、6万5524が20床未満の病床を有する「有床診療所」なので、病床を有する医療施設の数は計1万4833となる(同)。有床診療所を加えると、日本における医療機関の多さはさらに際立つ。

 「一定の距離でどこにでもあるもの」と言えば、ガソリンスタンドが例として考えられる。例えば、私が住んでいる日本よりも面積が広いカリフォルニア州には約9700のガソリンスタンドがあるが、これとほぼ同数か(有床診療所を加えると)それ以上の有床の医療機関があることになる。まさに日本には病院が津々浦々にあるのである。

 2500病院(2020年4月時点)が加盟している日本最大の病院団体である一般社団法人日本病院会の相澤孝夫会長は「病院は人口3万〜5万に1つあれば十分になる。つまり現在約8000ある病院は、多くても4000あれば済む」と言われた。筆者は長年、相澤先生とは懇意にさせていただいているが、病院団体のトップであるにもかかわらずこの厳しい予測は、病院業界の将来を見据えたご発言である。病院産業の再編は避けられない。