患者の受診控えが医療機関の経営にも影響

 一方で、対面診療を求める患者や、検査などで医療機関に通院しなければならない患者がほとんどであり、受診をした患者の94%は対面診療のみで治療をしている。そのため、緊急事態宣言発令中は、治療が必要にも関わらず受診を控えて重症化する事例も上がっていた。2020年9月時点でも、継続的に通院している患者の、約1割が受診を再開しておらず、重症化や体調不良を我慢し、QOL(Quality Of Life、生活の質)が低下することが懸念される。

緊急事態宣言以降の受診控えの実態(2020年9月17日時点の受診状況)。治療が必要とされながら受診を控えている人が約1割いる(出所:野村総合研究所)

 患者の受診控えは、医療機関の経営状況にも反映されている。9月9日に日本医師会が発表した、4月から6月の診療所経営状況の結果を見ると、緊急事態宣言で外出自粛が要請された地域の診療所の医業収入は、前年同月比で4月はマイナス15.4%、5月はマイナス16.5%となり、発令が解除された6月でもマイナス8.0%であった。患者の約1割の受診控えが、6月の医業収入に反映しているとみられ、今後も恒常的に医療機関への経営にマイナスのインパクトを与える可能性がある。