本連載の第1回では、患者の受診控えやオンライン診療の受診実態を述べた。新型コロナウイルス感染症との共存を余儀なくされている今、患者が安心に受診できるのは「かかりつけ医」で、かかりつけ医によるオンライン診療は患者が最も求めている形であることが分かった。

今回は、感染症拡大による患者ニーズの変化を明らかにするとともに、今後の医療提供の体制の望ましい姿を探っていく。前回同様に分析のベースとなるのは、野村総合研究所(NRI)が通院患者を対象に今年9月に実施したアンケート結果*1である。

密ではなく待たされない医療機関が望まれている

 医療機関に対する、患者のかかり方は変化しているか。アンケート結果によれば、今回の感染症拡大が医療機関を選ぶ際の意識に変化を与えたという患者の割合は約20%に上った。感染予防の観点で、大きな病院や混雑している医療機関は控える患者が、その中でも80%ほどいた。

 事前予約や事前問診を実施しているか、受付・会計の待ち時間が短いか、という観点も、受診する医療機関を決めるときの判断基準になっている。例えば、事前予約に関しては、判断する際に考慮する項目として「やや当てはまる」と答えた患者まで含めると、半数以上の方が意識していて、年齢が下がるにつれてその割合が高まっているという結果だった。事前問診にも同じ傾向が表れている。

新型コロナウイルス感染症拡大により医療機関の選ぶ視点の変化(出所:野村総合研究所)

 事前予約や事前問診、受付・会計の自動化などによる時間の短縮は、医療従事者の感染予防や業務負担の軽減にもつながる。医療機関としても導入を検討する事例が増えており、これらのサービスを提供する事業者の受注も伸びていると聞く。オンライン診療の普及とともに、インターネットでの予約と問診回答が一般に広く普及していくと見立てる。