確実に進歩したデジタル技術による治療

 ヘルスケアデジタルソリューションの変遷を見ると、はじまりは2000年頃になる。2002年に健康増進法が公布され、2008年には疾病発症リスクが高まる生活習慣病予防を目的に特定健診・特定保健指導が始まった。この頃から、スマートフォンが加速的に普及し、個人の体重や運動量を測定した健康管理アプリが出始めた。

 2010年頃には、医療費適正化を背景に、保険者がリスクの高い被保険者の健康維持のため、特定保健指導や重症化予防ソリューションの導入が進んだ。2015年頃から医療ビックデータの利活用が進み、データ分析に基づく治療効果の検証や費用対効果の考え方が広がっていった。オンライン診療と同じように、約20年をかけて日本でもデジタル技術による治療が実用化された。

ヘルスケア領域のデジタルソリューションの変遷(出所:野村総合研究所)

 新型コロナウイルス感染予防として、オンライン診療の利活用が進み、いつも手元にあるスマートフォンと医療が繋がった。これにより、デジタル治療アプリやウエアラブルデバイスを活用したDTxも患者に浸透しやすい環境になった。2030年の医療では、予約、問診、診察、服薬指導までオンラインで一気通貫の医療が提供され、治療においても実績を蓄積したDTxで、アウトカムの最大化とコストの最適化が追求された医療が提供されるだろう。