最初の一歩は「おいしいものと楽しいことを用意すること」

 同病院が経営難を脱するには、人口が減る地域の中で患者数を維持し、増やす必要があった。宇都宮氏はまず、地域のニーズに対応すべく、自治会や婦人会、民生委員などに意見や要望を聞くところから始めた。

 すると、「スーパーがなくなってから出歩く場所がない」、「自治会の会合は既に集まるメンバーが顔なじみになっており、途中からは入り込みにくい」といった声が聞かれた。そこで宇都宮氏は、「おいしいものと楽しいことを用意すれば、人は集まってくるんじゃないか」と考えた。

 なるコミの建物は2階建てとし、1階の広い多目的スペースで、昼は外来食堂として営業したり、各種教室に使用している。その他、キッズルームや、医療・介護・福祉の専門職に無料相談できる相談室がある。

 外来食堂では、和歌山県の食材を使った薬膳ランチ(1000円)を扱うこととした。2種類から選べるメーンと、自分が食べたいものをビュッフェ形式でたっぷり選べる副菜を常時10~15種類用意。メニュー開発は宇都宮氏肝いりで行われ、これまでに600種類ほどがある。副菜は季節や体質に合わせてお勧めもしているという。薬膳について学ぶ資格「薬膳アンバサダー」も創出し、力を入れている。

外来食堂で提供している薬膳ランチ(1000円)。メーンを肉か魚の2種類から選び、副菜は食べたいものを自ら選ぶビュッフェ形式となっている
副菜は「体質チェックリスト」で体質に合うものを自分で取れるよう、ビュッフェスタイルで提供しているという