経済産業省の立場でヘルスケアイノベーションに携わってきた江崎禎英氏。2018年6月に発行した著書『社会は変えられる:世界が憧れる日本へ』では、超高齢社会の処方箋を提示。同年秋からは、それまでの内閣官房 健康・医療戦略室 次長の兼務に加えて、厚生労働省 医政局 統括調整官の役割も新たに担うことになった。様々な立場から社会の変革を目指す同氏に話を聞いた。

(聞き手は小谷 卓也=Beyond Health)

経済産業省の江崎氏(写真:寺田 拓真、以下同)

Beyond Healthというメディア名には、「デジタルヘルス」のその先へ、「健康であること」のその先へ、というメッセージを込めています(関連記事)。江崎さんは、Beyond Healthという言葉に対してどのようなイメージを持ちますか。

 これまでのヘルスケアの基本的な考え方は、「健康であり続けるためにどうするか」でした。このためデジタルヘルスも、「病気にならない、健康を失わない」ためのツールだったのでしょう。つまり、「防御」的な意味合いが強かったと思います。

 これに対してBeyond Healthは防御ではなく、「ワクワクしながら生きる」「生きがいを持って生きる」ことによって、結果的に健康になるというものです。例えば、「何のために運動するのか?」という問い掛けに対して、これまでは「健康のため」という答えで満足していたと思います。これからは、健康の先にある価値、つまり「人生を楽しむ」「社会のために役に立つ」。そのために新たなテクノロジーを活用して健康を維持し、その価値を実現する。それがBeyond Healthではないかと思います。