【Case 1】分かりやすいメッセージに変えただけで受診率が130倍に

 東京都内のある自治体では、過去5年間に乳がん検診を受けていなかった人に対する乳がん検診のお知らせの資材の表現を変えたことで、変更前のお知らせを送付したグループでは1500人中1人しか受診しなかったのに対し、変更したお知らせを送付したグループでは1489人中131人が受診し、受診率は約130倍にアップした。

 変更前のお知らせの特徴は次の通り。

①「マンモグラフィー検査とはどのような検査か」を説明すべきところが検査の方法になっていた。

②「乳房を圧迫」や「しこりの影がはっきり写る」など、ネガティブなイメージを想起させる言葉が並んでいた。

③申し込み方法や受診時期が強調されていないために分かりにくかった。

④発信者が自治体であることもわかりにくかった。

⑤検診を促すメッセージは「受けましょう」と弱い表現だった。

 これを、キャンサースキャンでは次のように変更した。

①マンモグラフィーは1万1000円と高価な検査であることを明記した上で、検診では1万円の補助が使えることを強調して記載。「高額な検査」=「正確な診断」との印象を与えるようにした。

②申し込み方法、受診時期を記載。

③発信者である自治体名をわかりやすく記載。

④文字の大きさやフォント、色や囲みなどで、最も伝えたいことを強調。

⑤検診へ促すメッセージを「受けてください」と強い表現にした。

 こうした結果、冒頭のような効果を得られた。「自治体が送るお知らせは、正確性を期そうとするために、情報を盛り込みすぎる傾向がある。そのため、受け取った人は何が重要なのか、必要な情報がどこに書かれているかが分からなくなる面がある」と副社長の米倉章夫氏。必要なメッセージを絞り、さらに強弱をつけることで行動変容を促した。