実証実験では利用者も事業者も満足

 「香川県の三豊市で行っているプレ運行では、ご利用者からも迎え入れる事業者からも好評を頂いております」(岡本さん)

 具体的な内容は次の通りだ。

 「今回は、ゴイッショのシステムを運営するのは地元の三豊市社会福祉協議会さんです。ご参加は5つのデイサービスで1日のご利用者は約20名。送迎車は4台で、運行は地元のタクシー業者さんにお願いしています」(岡本さん)

 稼働する4台の送迎車の内訳は7人乗りの大型ワゴン2台に軽自動車が2台だ。

 「軽自動車はたまたまダイハツですが、それ以外は他社さんの車です」と岡本さんは笑う。

 「私もダイハツの人間ですから、もちろんダイハツの車が売れれば嬉しい。ただ、らくぴた送迎やゴイッショの事業は車の販売とは全く違ったフェーズで展開しています。我々は常に『移動を通じて、地域を良くし、暮らしを豊かに』という思いでやっています。ですからダイハツでも日産でもトヨタでも、その場にあるアセット(資源)を使って、業務改善を行っていただく」(岡本さん)

 実際、2020年に行った実証実験では、送迎車を2割カットすることができたのだという。

 ゴイッショの送迎ルートの自動生成は前述の通り、らくぴた送迎での経験をもとに開発したものだ。

 「らくぴた送迎は基本ゴールとなるデイサービスはひとつですが、ゴイッショの場合は複数になります。運行計画のパズルは複雑になるのですが、ご利用者のデータを入力することでAIが瞬時に自動生成することに変わりはありません。ただ、直前のキャンセルなどによる変更は人間の手によって変更します。AIと人間の二重チェックを採用することで、より血の通った運用ができると考えています」(岡本さん)

ゴイッショが自動生成したコース。地図の上に見える化される(資料提供:ダイハツ工業)
ゴイッショが自動生成したコース。地図の上に見える化される(資料提供:ダイハツ工業)
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 介護事業者としては送迎業務をまるごとアウトソーシングすることができる。さらにこうした取り組みを推進するにあたっていつも問題になるのが、地域に元からある公共交通機関とのバッティングだ。システムの輪にタクシー業者を巻き込むことで、これもクリアできる。