距離の壁を減らせる仕組みの実現を

 この訪問診察の質を支えるツールの一つが、携帯型の超音波診断装置(ポケットエコー)だという。泰川氏は、GEヘルスケアの「Vscan Air」を活用している(関連記事:GEヘルスケアのポケットエコー「Vscan」が新たな進化)。ぷくんみにおいては、2021年だけでも緊急搬送につながる異常を同ポケットエコーを使った検査で3回見つけているそうだ。

Vscan Airを使って利用者を診察する泰川氏
Vscan Airを使って利用者を診察する泰川氏
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 そもそも、ひと昔前であればエコー検査は病院で行うのが普通だった。しかし近年は、ポケットエコーの登場によって病院以外でも手軽にエコー検査を実施できるようになっており、様々な疾患の早期発見につながっている。こういった点も、ぷくんみのケアマネジャーや看護師にとっては大きな安心感となっており、ポケットエコーの導入がさらに進めば「介護事業所にとっても非常にありがたい」と語る。

 一方で、まだ残る課題の一つが、病院のある北西部までは「車でも数十分かかってしまう」という点だ。そのため、今後期待するのは「距離の壁を減らせるようなテクノロジーや仕組みの実現」である。

 実際、泰川氏がぷくんみに来るまでには少なくとも30分程度はかかってしまう。それだけに、その時間さえもなくせる遠隔診療などは、求められる仕組みの1つ。介護事業所の利用者が今後さらに増えるとなれば、そういった仕組みへのニーズはますます高まる。

 現在泰川氏が使用しているVscan Airは遠隔機能を備えており、ぷくんみにいる看護師がVscan Airを利用者に当て、その映像を遠方にいる医師がリアルタイムにチェックすることが可能だ。こうした技術や仕組みが正式に導入されれば、医師も介護事業所も手間や負担を減らすことが可能になり、「もっと質の良い介護ができるようになるはず」とぷくんみのケアマネジャーや看護師は語っている。

(タイトル部のImage:近藤 寿成)