主に60歳以上の人をターゲットにした人材派遣会社がある。その名も「株式会社高齢社」(東京都千代田区)だ。2000年創業、20年以上の歴史を持つが、人生100年時代が巷間で取りざたされるようになった昨今、とみに注目度を増している。前任者からバトンを受け取り、去年4月に代表取締役社長となった村関不三夫さんは「私もやっと働き盛りの年齢になりましたよ」と笑う。この言葉の真相とは。

 人材派遣会社の大手であれば数十万人の登録者を抱えるが、高齢社の登録者は1000人程度だ。ところがそのうち35%近くの人が同社の仲介により、仕事を得ている。ちなみに大手でも就労率は数%というところが多い。規模が小さい分、きめ細かなマッチングができるということもあるが、高齢社(者)ならではの戦略もある。

高齢社 社長の村関不三夫さん(写真:末並 俊司)
高齢社 社長の村関不三夫さん(写真:末並 俊司)
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 「登録者の方に、お仕事をご紹介する際、弊社では通常に『ワークシェアリング』の考え方を適用します。1人で回せるシフトであっても、2~3人を派遣し、曜日を分けるなどして働いていただく。そうすることで、Aさんが急に体調が悪くなった。という場合でもBさん、Cさんがヘルプに入ることができる。シフトに穴を開ける危険が少ないのです。おかげで人の稼働率も高い」(代表取締役社長・村関不三夫さん、以下「」内は全て村関さん)

 1週間を2~3人で回せる仕事だが、急に忙しくなるときは4人欲しくなる、といったオーダーもよくある。そんな場合は5人派遣する。

 「60歳以上を対象にしたアンケートによると、仕事を選ぶ際に優先したい条件として圧倒的に多いのは『就業時間』と『就業日数』で全体の3割です。ここが自分の都合にマッチしていないと選ばれない。給与額は二の次です。高齢社の派遣社員は年金併用の方が多いので、無理なく週2~3日働くことに意義を見出す方が多い。ワークシェアリングはこうした高齢者のニーズにマッチしているわけです」

60歳以上を対象にしたアンケートの結果(資料提供:高齢社)
60歳以上を対象にしたアンケートの結果(資料提供:高齢社)
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