トラック内に再現した“手術室”と、出張先などでも設置できる“モバイル戦略デスク”を次世代通信規格「5G」を活用して接続し、遠隔で手術支援を可能にする――。

 「モバイルSCOT」と呼ぶ、こうしたコンセプトの実車をNTTドコモが「DOCOMO Open House 2020」(2020年1月23~24日、東京ビッグサイトで開催)に出展した。模型を用いた展示はこれまでも実施していたが、今回のように20tトラックの実車内に実物大の手術室を再現した展示は初めてとなる(関連記事:5G活用の遠隔手術支援、コンテナ車で災害時にも)

ドコモオープンハウスの様子(写真:Beyond Healthが撮影)

 SCOTは、手術中に使う画像診断装置や医療機器を連携させ、医局に設置した戦略デスクから熟練の専門医が適切な指示を送り執刀医を支援するシステム。東京女子医科大学と複数の国内企業によるオールジャパン体制で開発が進められ、既に臨床応用も始まっている(関連記事:スマート治療室「SCOT」、その完成形が動きだす)

 現在は手術室と戦略デスクは有線で接続している。ここに5Gを活用することで、患者(執刀医)と専門医を場所の制約から解放しようとするコンセプトが、モバイルSCOTだ。

 これにより、被災現場や過疎地域など病院搬送が困難な場所でも高度な診断・治療を実施でき、モバイル戦略デスクから経験豊富な医師がリアルタイムに的確な指示を出せることをメリットに挙げる。

 展示されたトラックの手術室には、手術台や無影灯、支持アームのほか、8Kカメラ内蔵の内視鏡(カイロス製)、業務用超高精細70型8Kモニター(シャープ製)、生体モニター(日本光電製)、高性能の超音波診断装置(キヤノンメディカル製)などを参考搭載した(関連記事:これが「8K」の実力、不可能だった手術ができる!)

トラック荷台内に再現された手術室

 展示担当者は、「病院の手術室は7m×7mの広さが最小の基準とされている。4.5m×4mメートルのトラック荷台内に再現できるのかを検証するのが、今回の実物展示」と説明する。