時間や場所に制限されずにリハビリできる

 デジリハの個人向けは、家庭内に設置されたパソコンの前で遊びながらリハビリに使うことを想定。法人向けは、病院やリハビリ施設などで、リハビリのツールの1つとして使われることを想定した設計となっている。なお、法人向けではプロジェクターを利用して壁面や床面にプレー画面を投影する、あるいは大型ディスプレーに接続して映し出すことによる遊び方を推奨している。

 個人向けと法人向けの主な違いは、利用環境に応じて使用できるセンサーおよびアプリの種類。個人向けは手指を検知するセンサー、手・腕・足の動きを感知するセンサーなど3種類に対応した。法人向けでは施設内の大部屋などをリハビリに使うことを想定し、レーザースキャナーによる測域センサーや、骨格の動作を検知できるセンサーを含めた全5種類に対応する。

アプリ「もぎゅっと!フルーツ」の画面例。手指の動きを感知するセンサー端末「Leap Motion」を使って遊ぶ。手をグーパーさせながら、実ったフルーツを収穫するアプリである。手の運動だけでなく、指定されたかごにフルーツを入れるといった動作を通じて認知機能を鍛える目的にも活用できるという(出所:Ubdobe)

 個人向け、法人向けのいずれでもセンサーはユーザーが別途購入する必要がある。法人向けについては先着の50ユーザー限定でセンサーを無償で提供するとしている。

 子どものリハビリは、残存する身体機能を維持・向上させるうえで必須の取り組みだ。一方、Ubdobeが障害や疾患のある子どもを持つ保護者に調査した結果によれば、192人のうち41.2%が「リハビリを行うための時間の捻出やスケジュール調整」について難しさを感じていると回答している。Ubdobeは個宅でも利用できるデジリハを通じて、こうした親世代が抱える実務的な課題にも応えられるとする。

Ubdobeが調査した「小児リハビリテーションに関する実態調査」の結果。2020年6月23~30日にネット上でアンケートを実施した。グラフは設問「お子さんのリハビリを継続して行ううえで、あなたが難しく感じていることに当てはまるものをすべてお選びください」に対する回答(複数選択、N=192)(出所:Ubdobe)

リハビリツールとしての機能性を向上

 デジリハにはリハビリのツールとしての機能性を高めるために、様々な工夫が盛り込まれている。主な工夫点の1つは、プレイヤーである子どもそれぞれの状態に合わせた適切な遊び方ができるよう、細かく設定ができるようにしたこと。難易度の設定、アプリのBGMのオン・オフ、アプリで登場するオブジェクト(物体)の大きさなどが調整できる。

 例えば、健常者の子どもと遜色なく身体が動かせる子どもが遊ぶ場合は難易度を上げ、身体の機能に制限がある子どもの場合はセンサーの感度を上げて遊びやすくする、といった調整が可能だ。「その子どもの状態に寄り添いつつ、かつリハビリとして効果的な遊び方ができるようにした」(Ubdobeの仲村氏)。

 センサーの選定やアプリの設定方法も含めて、Ubdobeでは子どもにデジリハをプレーさせるうえで、リハビリを担当している理学療法士や作業療法士などのアドバイスやサポートを受けることを推奨している。「リハビリが必要な子どもたちは、健常者の子どもよりもけがなど二次障害のリスクが高い。その点も含めて、リハビリとしての効果を有効に得るには、専門家の視点を加えることが望ましい」(同)ためだ。