薬局との連携サービスの実証実験を開始

 こうしたサービスで蓄積されたゲノムデータは、多様な用途で活用できそうだ。遺伝子情報は疾患以外の領域についても研究が進められているため、「さまざまなヘルスケア領域で応用され始めるだろう」と高橋氏は見る。

 既に、多くの製薬企業や食品企業がゲノムデータを保有する企業との共同研究を進めているという。例えば、ジーンクエストは伊藤園と共同で、お茶に含まれるカテキンの健康効果と遺伝子の関係について研究を行っている。

 さらに同社は、薬局との連携サービスについて2021年2月9日から実証実験を開始する。個人向けゲノム解析サービスで薬剤応答性について調べ、その結果を薬剤師が説明するという取り組みを試験的に行うという。

薬局連携サービスの概要

 2018年には、遺伝子レベルで寛げる家「GENOME HOUSE(ゲノムハウス)」のコンセプトをパナソニックの社内デザインスタジオ「フューチャー・ライフ・ファクトリー」、マッキャン・ワールドグループ ホールディングスと共同で具現化した。睡眠と遺伝子の関係に応じて起きやすい時間を設定できる照明システムや、肌質と遺伝子の関係に応じて保湿性を調整できる寝具の提案など、これまでの研究で明らかになっている要素をふんだんに盛り込んだ。

ゲノムハウスの概要

 このほか、世界の動向として最近は、「Precision Nutrition(プレシジョン ニュートリション)」という考え方が疾患予防のアプローチとして注目され始めているという。遺伝子情報で明らかになったリスクに合わせて、個人の適切な食事を提案し、発症リスクを低減させるという考え方で、海外ではPrecision Nutrition事業を展開する企業への出資が相次いでいるようだ。

 このように多様な応用ができるゲノム情報を適切に社会に役立てるため、ゲノム解析サービスを提供しながら蓄積したデータで研究を進めるというスキームで、「さまざまな社会問題を解決していきたい」と高橋氏は意気込む。

(タイトル部のImage:patpitchaya -stock.adobe.com)