兵庫県西脇市は、2021年5月、地上4階建ての複合施設「オリナス」をオープンした。新築移転した市庁舎、ホールやスタジオがある市民交流施設、地元医師会や地域包括支援センターなどが入居する健康福祉連携施設で構成され、「健康交流」「地域交流」「観光交流」の3つの機能を併せ持つ。取り組み中の「健幸都市にしわき」の実現に貢献するとともに、同じ場所にあって接触する機会が増えることで、健康・医療分野の公民連携のさらなる進展も期待できる。オリナスはもう一つの拠点とともに、新たなまちづくりと賑わい創出の役割を担っている。
緯度・経度が日本の真ん中(東経135度、北緯35度)に位置することから、「日本のへそ」のまちとしてPRを進める兵庫県西脇市。釣り針や綿織物など地場産業が盛んなこのまちで、2021年5月、住民が集う新たな拠点が誕生した。市役所、市民交流施設、健康福祉連携施設が一体化した複合施設「オリナス」だ。建設から約50年が経過し、耐震上も避けられなかった市庁舎建て替えに際し、コンパクトで利便性の高い中心市街地の形成を狙って、南東へ1.5kmほど移転、大型商業施設の跡地に新築した。高速バスターミナルのすぐそばに位置し、大阪の中心部まで1時間半強で行くことができる。
西脇市には、既に2015年秋にオープンした複合施設「みらいえ」があり、図書館やコミュニティセンターに年間50万人が訪れている。市街地の中心部の西側に「みらいえ」、そして東側に今回「オリナス」をオープンさせた。「東西2つの拠点に、それぞれ50万人が訪れるまちづくりを目指す」と西脇市長の片山象三氏は意気込む。
「オリナス」の基本コンセプトは、(1)震度6強の地震にも耐えられる免震構造の市庁舎東棟の建設など「市民の安全・安心な暮らしを支える」、(2)市民の利用が多い窓口関係の部署を低層階に集めて配置するなど「暮らしに身近で、誰もが使いやすい」、それに(3)「まちの未来を創り、交流の拠点となる」の三つ。(3)では、「健康交流」「地域交流」「観光交流」の3つの機能で賑わいづくりや地域の活性化を狙っている。
