「花粉対策の日」である1月23日。花粉問題対策事業者協議会(JAPOC)は、トップアスリートの花粉症問題に関するセミナーを行った。花粉症による生産性の低下は、アスリートにとっても実に深刻な問題。さらにアスリートの場合、一般の人と異なって、その手段に制約があることが対策を困難にしている。一般人もアスリートも悩ませる花粉症に、我々はどのような対策が取れるのだろうか。

 1月23日は「花粉対策の日」──花粉問題に取り組む企業や研究機関などが参画する「花粉問題対策事業者協議会」(Japan Anti-pollinosis Coucil:JAPOC)が制定した「記念日」だ。1・2・3月が春の花粉対策のポイントになることから、2016年からこの日を記念日とし、啓発活動を展開している。

 2020年のこの日、JAPOCは「2020年花粉シーズンの花粉症対策と最新情報~トップアスリートの花粉症問題と対策~」と題して、関連業界団体や報道関係者を対象にセミナーを開催。耳鼻咽喉科専門医の日本医科大学大学院 大久保公裕教授(医学系研究科頭頸部感覚器科学分野)による「花粉症の根治を目指して 身近な花粉症対策」、国立スポーツ科学センター スポーツメディカルセンター 副主任研究員で日本スポーツ協会公認スポーツドクターの蒲原一之氏による「アスリートの花粉症問題」の2つの基調講演の他、ウェザーニューズ 予報センターの草田あゆみ氏による発表「2020年春の花粉飛散傾向」やJAPOCの活動報告が実施された。

飛散量は「平年並み~少ない」も飛散開始は早まる

 春の花粉症に悩む人にとっては、朗報かもしれない。ウェザーニューズの予測では、2020年のスギ・ヒノキの花粉飛散量は概ね、平年(2010~2019年)並みもしくは平年より少ない(図1)。青森県と山形県が120%以上と予想されるものの、他の都道府県は80~120%で平年並み。東北南部太平洋側から関東辺りにかけては50~80%の予想だ。2019年比でも、北海道と青森県が150%以上、秋田県が120%以上だが、他府県は80%未満の所が多い(図2)*1

図1●2020年の平年比花粉飛散量予想
青森県と山形県を除き、平年並み~少ない予想(出所:ウェザーニューズ)
図2●2020年の前年比花粉飛散量予想
北海道と青森県、秋田県を除き、少ない予想の都府県がほとんど(出所:ウェザーニューズ)

*1 北海道のみ、シラカバの花粉をメインに予測した。

 同社によると、花粉の飛散量には雄花の豊作/凶作が影響する。それを決める条件の1つが夏の天候だ*2。晴れて暑い夏であればスギ・ヒノキにとっては雄花の生育に好条件。曇りや雨が多ければ、雄花の生育には不向きだとされる。2019年の夏は、北海道南部から東北北部で平年より晴れて暑く、西・東日本は曇りや雨の日が多かった。加えて、雄花の生産には多くのエネルギーを使うため、豊作/凶作の年が隔年で訪れる傾向もある。

*2 ヒノキ花粉の飛散量には飛散開始直前の天候も影響し、晴れて暖かいほど花粉が多くなる。

 こうした条件に加えて同社は、独自に雄花の状況を調査。2019年11月8~15日、558の報告をまとめたところ、雄花の数が例年・昨年より「少ない」が「多い」を上回った。従って、飛散量は平年並み~少ないと予想される。

 ただし、2020年は「記録的な暖冬になる可能性がある」(同社)ため、飛散の開始とピークは早まる予想。同社は、2月12日に関東南部と静岡県の5都県で本格花粉シーズンに、近畿や岐阜県、鳥取県の5府県で花粉シーズンに突入したことを発表した(2月14日付の発表資料)。東京都では平年より10日早く本格花粉シーズンを、大阪府では平年より9日早い花粉シーズンを迎えたことになる。翌13日には関東北部と九州北部、山口県、愛媛県の8県でも本格花粉シーズンに入ったという。スギ花粉の飛散ピークは3月中旬まで。同社は、花粉の飛散に関する情報を提供すると同時に、早めの対策を呼びかける。