器にもこだわりつくす

「京介食」ブランドの器(提供:京介食推進協議会)

 この皿、奥に向かって返しがついている。冒頭で紹介したように返しの部分にスプーンで食物を寄せ、すくい上げやすくするための工夫だ。開発を担当したのは京都を代表する清水焼の職人たちだ。

 ところが陶器職人と医療者の間に微妙なズレがあり、「思い通りの仕上がり」にはなっていないという。

 「日本人はスプーンでものをすくうとき、手前に寄せるように動かします。だから僕らとしては、皿の手前に返しをつけることを想定していました。皿の形を扇形にして、要の部分を手前に持ってくる。そこに返しをつけることで、すくいやすい皿をとする。ところが京都、清水焼の絵付け職人さんは、皿がもっとも美しく見える方向を手前にして絵つけて仕上げてくれたのです。おかげで、美しい食器に仕上がったのですが、すくう向きが反対になってしまい、 結果すくいにくい食器になってしましました」

 プロフェッショナル同志が向き合うと、このような失敗(?)も出てくる。ただ、使う分にはなんら支障はない。美しくて使いやすい。「京介食」のブランド精神がしっかりと息づいた器だ。