買い物をするだけで栄養バランスがわかり、食生活の改善につなげていく──。そんな栄養管理アプリを活用した実証実験が静岡県藤枝市で2月1日からスタートした。

 静岡県のほぼ中央に位置し、人口15万人弱を抱える藤枝市は「健康・予防日本一」のまちづくりを目指し、数年前から様々な「健康施策」に力を入れてきた。市民の特定検診データを分析したところ、高血圧の罹患者が県内平均を上回ることが判明。血圧上昇の因子は様々だが、同市はそのうち食塩の過剰摂取を抑えるなど食生活を見直す対策の重要性に着目した。ただ、従来は、健康相談、訪問指導、健康教育などで対応するも、健康無関心層にはなかなか響かないという問題点を抱えていた。

 新たな方策を探ろうと市は昨年、経済産業省関東経済産業局が主催する「自治体とヘルスケアベンチャー企業の共創による地域課題プログラム」に参画。同プログラムは、自治体がヘルスケアベンチャーに対して、健康福祉分野の地域課題やニーズを発信して、斬新な共創提案を受けるというもので、関東経産局がマッチング役を担う。

 そこでいくつかヘルスケアベンチャーからの提案があった中、藤枝市は、東京都港区のスタートアップ「シルタス」が開発したスマートフォンアプリ「SIRU+(シルタス)」を活用することに決めた。

2月12日に行われた実証実験デモの様子(写真提供:藤枝市)

ユーザーが頑張らなくてもいい手軽さが魅力

 このスマホアプリは、スーパーのポイントカードと連動し、日々の購買履歴から自動で栄養の偏りを分析するほか、その人に不足している栄養素を補うための食材やレシピを提案する機能を持つ。ユーザーは入力の必要がなく、買い物をするだけで自分の栄養状態の傾向がわかる(関連記事)

 「ユーザーが頑張らなくてもいいという手軽さが魅力だった」と市の担当者。それでいて自身の健康に対する気づきを与えられ、「知らずしらずのうちに食生活を見直す行動変容につながれば」と期待を込める。

 実証実験は2月末まで藤枝市内のしずてつストア5店舗で行われ、同店舗の従業員や市職員ら約100人が参加する。藤枝市ではこの先、実証実験を踏まえ、有効性が認められれば、一般市民向けにも広く活用を促していく考えだ。

(タイトル部のImage:patpitchaya -stock.adobe.com)