医療現場から得られる実診療データであるリアルワールドデータ(RWD)。新たな医療技術の開発や創薬を促進させることが可能な医療ビッグデータとして期待されている。そのRWDを全国の医療機関から集約・解析して利活用者に提供する新会社が、京都大学とNTTの産学連携によって2020年2月初めに設立された。

 新会社の名前は「新医療リアルワールドデータ研究機構」(PRiME-R、Prime Research Institute for Medical RWD)。まずは、社会的な課題解決に向け価値の高い、がん領域にフォーカスして事業を展開する計画だ。2020年4月に本格始動する。

新医療リアルワールドデータ研究機構 代表取締役社長の是川氏(写真:加藤 康)

 全国がん診療連携拠点病院(約400施設)を対象にRWD提供の協力を要請する考え。約400施設のうち、2年以内をめどに約100施設からのデータ集約を目指し、最終的には約200施設への拡大を見込む。具体的には、抗がん剤の使用状況や有害事象、治療費用などを含むさまざまなデータを収集する。

 「200施設のがん診療連携拠点病院のデータを集約できれば、日本のがん診療情報の1/3程度はカバーできるだろうと考えている」。PRiME-R 代表取締役社長に就任した是川幸士氏はこう意気込む。