堺市(大阪府)が泉北ニュータウンを中心に進めている「SENBOKU スマートシティ構想」(関連記事:堺市が取り組む「SENBOKU スマートシティ」構想とは)。実は、現在は大阪府大阪狭山市にある近畿大学医学部と同病院は、2024年度にキャンパスを泉北ニュータウンに属する泉ケ丘エリアに移転する予定となっている。

 堺市健康寿命延伸産業創出コンソーシアム(SCBH)が2021年3月24日にオンライン開催したシンポジウム「『SENBOKUスマートシティ構想』産学公民未来共創シンポジウム~大阪・関西万博を見据えたまちとヘルスケアの未来~」では、近畿大学医学部学部長の松村到氏が登壇。「近畿大学医学部と近畿大学病院の開設を契機とした新たな取組」と題して講演した。

近畿大学医学部学部長の松村到氏(写真:オンラインイベントのキャプチャー、以下同)

 まず松村氏がアピールしたのが、「近畿大学医学部の特徴」と位置付けるがん医療。「世界でも有数の教授が在籍しており、新規薬剤の治験実績が全国で3位以内に入るなど、がん医療において最先端を行っている」(同氏)。新キャンパスでは、もう一つの目玉として心臓血管センターを掲げ、中心となる人材を新しく迎え入れていることを紹介した。

 SENBOKUスマートシティ構想は、高齢化が進む泉北ニュータウンをスマートシティ化することで暮らしやすいまちづくりを目指すもの。松村氏は、それに関連する取り組みにも触れた。

 まず紹介したのは、放射線診断科の石井一成教授が国立長寿医療研究センターや島津製作所と共同で行ったアルツハイマー病の早期発見の研究について。具体的には、血液検査から初期段階の特徴であるアミロイドβの沈着を捉えるための研究に関するもので、今後はこの成果を応用して早期発見と治療につなげていく構想を示した。

 もう一つ、2021年5月に精神神経科に着任予定の橋本衛准教授が現在大阪大学で携わっているSociety 5.0の「虚弱高齢者見守りプロジェクト」にも触れた。高齢者の認知症や寝たきりなどの予兆を検出することで早期に支援が始められるようにするプロジェクトである。対象者の心拍や呼吸、体温などの日常生活データを取得するために各種センサーを利用しており、スマートハウス、スマートシティにつながる構想も含まれている。企業や行政と提携し、この取り組みをさらに進める予定だという。