新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を防ぐため、緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大された。不要不急の外出自粛や在宅ワークなどの長期化により、生活不安の増大や心身の不調などが懸念されている。

 こうした中、ヘルスケアスタートアップ各社がそれぞれの得意分野での支援策を続々と打ち出している。本稿から数回に渡り、その主だった取り組みを紹介していこう。

「自宅でできる介護リハビリ」、運動プログラムを無償提供

 まずは、運動・リハビリの分野だ(表1)。

表1●新型コロナウイルス対策としてヘルスケアスタートアップ各社が提供するサービスの例(表:Beyond Healthが作成)

 クラスター(集団感染)発生の危険性から、デイサービスなど通所型の介護事業所では自主休業の動きが広がっている。身体機能の改善や機能訓練に重点を置くリハビリ特化型デイサービスを利用している高齢者は、引きこもりがちな生活が続き、身体機能の衰えが心配されている。

 一方、企業はテレワークに移行したところも多く、長引く在宅勤務により従業員の運動不足が問題になりつつある。こうした課題を受け、自宅でできるリハビリやエクササイズをサポートしようと、スタートアップ各社がさまざまなサービスを期間限定で無料提供し始めた。

 リハビリ型デイサービスを展開するインターネットインフィニティーは、会員向けの「1日5分のロコモ予防運動」アプリを期間限定で無料提供している。「レコードブック」と呼ぶ、全国約100店舗で展開している運動に特化したリハビリ型デイサービスの運動プログラムを、自宅にいながら簡単にできるようにカスタマイズした。運動頻度や身体の気になるところをチェックし、その結果を基に最適な運動プログラムを提示。動画に合わせて運動できる。トレーナーへの運動相談も可能だ。

 デイサービス向けクラウド機能訓練サービス「リハプラン」を展開するRehab for JAPAN。同社は、自宅でリハビリや介護予防が実践できる特設サイト「自宅でできる介護リハビリ」を開設し、運動プログラムを無償で提供している。デイサービス事業者に提供するリハプランには2500種類、500セットの運動マニュアルがある。自宅にはない器具を使う運動や機能訓練指導員のサポートを前提とするプログラムもあるが、その中から個々人に適切なプログラムをデイサービス事業所に相談の上、実施できるようにした。

 主に在宅勤務で運動不足に陥っている人などを対象にアプリを通じてエクササイズを提供しているのは、FiNC Technologiesやエーテンラボなどだ。FiNC Technologiesは、ヘルスケアプラットフォームアプリ「FiNC」に特集ページ「今こそ、カラダ」を開設。自宅でできるトレーニングや免疫対策レシピ、医師監修のアドバイスなどの情報を集約・提供している。

 エーテンラボは、ユーザーが続けたい習慣を目標に5人でチームを作って行動変容を支援する「みんチャレ」を手掛けている。スポーツジムなどが休業になった影響を受け、自宅でも運動を続けることを目標にしたアプリ内チームがユーザーによって続々と立ち上がっているという。同社は、こうしたアプリによるチームの運動を「リモートエクササイズ」として提唱している。