2016年に設立した、医療機関向けマネジメントシステムを主力とするスタートアップのエピグノ。このほど、東北大学ベンチャーパートナーズを筆頭とする第三者割当増資により1億円の資金調達を果たした。今回の資金により、看護師の病院定着率向上ソリューション「エピグノ病棟ナース」の正式リリースに向けた開発を加速させる。同社が取り組むサービスを追った。

 代表取締役社長CEOの乾 文良氏は大学卒業後、新卒で富士通に入社。その後、日本とドイツのビジネススクールに通いMBAを取得、商社で経営戦略などを学んだ上で起業した。右腕を務める取締役 最高医療責任者(CMO)の志賀卓弥氏は、東北大学病院 麻酔科に在籍する現役の麻酔医だ。そうした経緯もあり、東北大学ベンチャーパートナーズとつながった。

エピグノのメンバー。中央が乾氏(出所:エピグノ)

 当初、エピグノは手術室のAIマネジメントソリューションを進めていた。しかし、冒頭のように看護師向けソリューションに舵を切った。その背景には、構造的な看護師不足という切迫した事情がある。日本では2025年に約13万人の看護師が不足するとの試算がある。一方で、離職率は10~14%で推移。厚生労働省の調査では看護師の75%が辞めたいと思ったことがあるという。

 乾氏は「病院コストのうち、人件費の60%は看護師で占められる。つまり病院経営にとって、看護師に安定して働いてもらうことが重要課題。少しでも高いモチベーションを維持してもらい、離職を食い止められればとの思いからエピグノ病棟ナースを開発した」と語る。