民間企業のビジネス化コンソーシアム「湘南会議」を設置

 湘南アイパークでは、ビジネス化を目指す民間企業のコンソーシアム「湘南会議」を設置し、そのファシリテーターも担っている。参加企業を募集した上で集中的な議論を重ね、ビジネスモデルを構築し、パイロットスタディーまでの道筋を付けるところまでをスコープとしたコンソーシアムである。「社外起業だけでなく、組織に属しながら他社と連携してイノベーションを起こそうとする社内起業家も多い。そうした人たちをつなぐことができれば、新たなサービスやビジネスを創出できるのではないか」(藤本氏)との考えから設置した。

 2018年12月に始動した第1期の湘南会議は、未病のビジネス化をテーマにした。参加企業は公募によって決めるのが基本だが、第1期は立ち上げということもあり、神奈川県が主宰する未病産業研究会から紹介を受けた企業にインタビューした上で、次の8社で結成した。アフラック生命保険、SOMPOホールディングス、武田コンシューマーヘルスケア、武田薬品工業、電通、日本生命、ライオン、RIZAPグループ、である(50音順)。

湘南会議第1期の月次会議の様子(出所:湘南アイパーク)
湘南会議第1期の月次会議の様子(出所:湘南アイパーク)
湘南会議第1期の月次会議の様子(出所:湘南アイパーク)

 テーマは、「メタボ気味の中年男性が健康に年を重ねるには、どうすればよいか?」。8社のメンバーは、メタボ対象者の行動変容を促し、継続可能なソリューションについて、月1回の月次会議とその間のメールやコラボレーションツールなどを用いて、集中的に議論を重ねた。その結果、(a)趣味コミュニティアプローチと、(b)職場アプローチの2種類のビジネスモデルを構築したという。(a)は湘南エリアのコミュニティを対象としたサービスで、趣味などを通じてつながるコミュニティに対して健康増進を目指すもの。(b)は自治体と連携したエリアの企業従事者を対象とするサービスで、企業の従業員の健康増進、それによるパフォーマンスの向上を目指すものである。

 2019年度には、サービスに対するエビデンスづくり、スキームの詳細化を目指したパイロットスタディーを実施する計画である。第1期湘南会議の成果について藤本氏は、「社内起業家と呼べる人たちが集まったことで、短期間の中でそれぞれの企業の利益を超えて社会問題の解決に向けた議論ができた」と評価する。さらに、神奈川県、藤沢市、鎌倉市がオブザーバーとして参加しており、「パイロットスタディーの検証フィールドにしてほしいという申し出を受けるなど、自治体との共生も生まれている」(同氏)そうだ。なお、第2期の湘南会議は、認知症をテーマに2019年4月10日から参画企業の募集が始まった。

(写真:剣持 悠大)
(写真:剣持 悠大)
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 湘南アイパーク開所から丸1年。規模の大小を問わず多くの企業がオープンイノベーションを求めて集い、ビジネス化コンソーシアムの湘南会議も第2期が始動した。最後に藤本氏は、湘南アイパークがもたらす未来を次のように語った。「このパークで多くのイノベーションが生まれ、アントレプレナーが育ち、その人たちが湘南の街で起業し街も発展していく。その発展が湘南の海を越え、革新的な技術が世界に飛んでいく――それが私たちの夢である」。

(タイトル部のImage:剣持 悠大)