他人の人生に関わる仕事

 俺たちみたいなゲイは長く生きても意味ないよね──。ゲイの親友がそんな言葉を残して自殺した。20代の後半だった。

 「僕にとって、親友の死と遺言が辛すぎました」と久保氏は語る。

 学生時代、新宿二丁目でアルバイトしていたお店のママは人生の後半で「飲酒、病気、そして引きこもり」になったという事実。そして「長く生きても意味がない」という親友の遺言が久保氏の中でつながった。

 「幸せのロールモデルって、世間では結婚や子育てをし、最期は子や孫に看取られるみたいなものでしょうか。当事者の場合本当に難しい。『結婚している人』『友達がいない人』『甥や姪などの親族と円満な人』等々。裾野が広すぎるので、各人の人生の進路は違えど、「老後の安心という終着地点は一緒』という理念で高齢者支援の会社を立ち上げる原動力となったのだと思います」

 建設会社からITのベンチャー企業に転職後の2018年11月、久保氏は高齢者支援をビジネスの柱とするアライアンサーズを立ち上げた。

 「高齢者支援の対象はセクシュアリティに関係なく行っているのですが、やっぱり心情としてLGBT高齢者の人たちに対する思いは強い」

アライアンサーズが提供するLINEを使った見守りシステムの登録カード