かんぽ生命保険とアフラック生命保険は、両社の経営資源とスタートアップのサービス/技術を掛け合わせた協業を目指す「かんぽ生命 - アフラックAcceleration Program」を実施する。協業につながるビジネスアイデアを広く募集していくという。今回のプログラムの狙いなどについて、両社の担当者(以下の4人)に話を聞いた

  • かんぽ生命 経営企画部 みらいデザイン室 専門役 塚原健二氏
  • かんぽ生命 経営企画部 みらいデザイン室 主査 大谷達也氏
  • アフラック・ベンチャーズ・ジャパン 投資部 投資部長 清藤利郎氏
  • アフラック・ベンチャーズ・ジャパン 投資部 シニアアソシエイト 木村沙織氏

両社それぞれに異なる狙い

「かんぽ生命 - アフラックAcceleration Program」の背景について教えてください。

木村氏 スタートアップの技術やサービスと、かんぽ生命/アフラックの経営資源をかけ合わせ、協業を実現するのが狙いです。基本的にはかんぽ生命、アフラックそれぞれが受け皿となり、両社のビジョンに沿ったスタートアップを発掘していくプログラムになります。

塚原氏 ご存じの通り、かんぽ生命は生命保険がメイン事業です。しかしこのままでは多様化するニーズに応えることが難しいと捉えています。2021年5月に2021年度~2025年度の5カ年にわたる中期経営計画を発表しましたが、本計画では「お客さまの生活に寄り添うサービス」を掲げました。

 これを受け2022年4月に新設したのが「みらいデザイン室」です。お客さまに寄り添う、これまでにないサービスを創ることを目的とした部署になります。今回のプログラムも、その流れの一環として取り組んでいるものです。我々だけでは限界がありますから、生命保険以外の領域で活躍しているスタートアップやベンチャー企業と組むことで、新たなアイデアが生まれる期待があります。

清藤氏 アフラックでは、2017年頃から保険以外の新規事業創出に取り組んできました。2019年からはCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)としてスタートアップへの投資を開始し、これまでに20社以上に投資してきた経緯があります。本アクセラレーションプログラムを機に、スタートアップとの連携機会を従来よりも幅広く探っていきたいとの思いがあります。

プログラムの注力ポイントは?

塚原氏 かんぽ生命では、幅広い年代をカバーするライフイベントをターゲットにしています。出産・育児から終活・相続までといったイメージで、もともと強い中高年層だけでなく、その子どもや孫世代にも満足してもらえるサービスを目指します。

 もう1つ、かんぽ生命にはラジオ体操という重要な健康コンテンツがあります(注:旧ラジオ体操第一は昭和3年に簡易保険局や日本放送協会らの協力により制定されたもの)。これまでのように早朝に集まって体を動かすのみならず、予防・健康増進のための活用法が生まれれば面白いですね。

清藤氏 アフラックのターゲットは「がん」、それから「介護」です。現在、我が社はがん患者を取り巻くさまざまな課題を解決するための連携・協業の仕組みとして「キャンサーエコシステム」の構築に励んでいます。このキャンサーエコシステムを広げていくパートナー候補を探すことが1つの狙いです。

アフラック・ベンチャーズ・ジャパン 投資部 投資部長 清藤利郎氏(写真:川島 彩水、以下同)
アフラック・ベンチャーズ・ジャパン 投資部 投資部長 清藤利郎氏(写真:川島 彩水、以下同)
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 介護については2021年9月に「アフラックのしっかり頼れる介護保険」を発売しました。介護状態に合わせて保障するもので、時代のニーズを捉えた内容となっています。ゆくゆくはがんと同様エコシステム構築を想定しているため、本プログラムで介護関連のスタートアップとの関係を強化していきたいと考えています。介護に関しては、がんよりもまだまだ接点が少ないですから、ここからアクセルを踏んでいくつもりです。