関心を集めたゲノム編集セッション

 Global Summitではコンテストのほか、テーマ別の基調講演やパネルディスカッション、調査報告、企業による開発品展示といった学びや交流の機会が用意されている。いずれでも、世界中の研究者や科学者らが取り組んでいる社会課題を知る機会が得られる。

 ゲノム編集をテーマとした講演には、ハーバード大学教授を務め、遺伝学者として著名なジョージ・チャーチ氏が、NASA出身のサイエンティストであり、遺伝子工学を普及させるための企業Odinを起ち上げたジョサイア・ゼイナー氏らと共に登壇。ゲノム編集に慎重派、積極派という立場に立って議論した。

Hello Tomorrow Global Summitの講演に招かれた、ハーバード大学教授のジョージ・チャーチ氏(左から2番目)。ゲノム編集積極派のジョサイア・ゼイナー氏(左から3番目)と議論した。

 積極派のゼイナー氏は「自動車事故の犠牲者がいても、誰も自動車の保有に言及しない。ゲノム編集についてはリスク分析が歪んでいる。負の側面だけでなく、もっと正の側面にも眼を向けるべき」と発言するなど、会場をあおるような発言を繰り返した。一方、DIYバイオの先駆けであるチャーチ氏は慎重派の立場。ゲノム編集のコミュニティは監視下に置かれるべきであるとし、「運転の例えで言えば、運転免許を取得するだけでは十分ではなく、飲酒検査など他の様々な法律に従う必要がある」などと述べた。

 ゲノム編集については、中国人研究者が2018年11月、編集を施した双子の赤ちゃんが生まれたことを学会発表、話題になったばかり。そうした話題性もあり、特に多くの来場者の関心を集めていた。

(タイトル部のImage:筆者が撮影)