医療機関側の悩みに向けても新サービス

 一方、COVID-19感染疑いの有無に応じて院内の導線を分けたい医療機関では、来院時に事前問診や検温を行うといった手間に追われている。そこで、医療機関を支援するために提供を開始した第2のソリューションが、同社がこれまで手掛けていたサービス「AI問診Ubie」の追加機能、「COVID-19トリアージ支援システム」である。こちらも「4月初旬の着想から数週間で機能拡張を実現した」(Ubieの阿部氏)と、スピード感を重視して提供にこぎ着けた。

AI問診Ubie使用イメージ(出所:Ubie)
AI問診Ubie使用イメージ(出所:Ubie)
[画像のクリックで別ページへ]

 ベースとなったAI問診Ubieは、診察前の事前問診をタブレット端末で行えるサービス。約5万件の論文から抽出したデータを使って、患者の年齢や症状に合わせた質問を自動で生成・分析し、患者のスクリーニングを行うことができる(関連記事:これが“AI問診”の効果、「問診時間が1/3に」)。

 今回追加したCOVID-19トリアージ支援システムは、来院前または来院後に患者自身のスマートフォンやタブレット端末を使って事前問診を受けてもらい、COVID-19に関連する症状が含まれている場合は、医療スタッフにアラートを送ることができる機能だ。事前に患者のトリアージ(重症後や緊急性によって治療の優先度や診察場所を決定すること)を実施することで、院内感染を防ぐための導線を整備したり、患者の状態に応じた案内をしたりすることができる。

「COVID-19トリアージ支援システム」概要(出所:Ubie)
「COVID-19トリアージ支援システム」概要(出所:Ubie)
[画像のクリックで別ページへ]

 今回の機能拡張に当たり、COVID-19を疑う「発熱」や「熱」などの症状や、リスク因子である「糖尿病の既往」「喫煙習慣」「海外渡航歴」などのデータをAI問診Ubieに実装した。症状やリスク因子については、これまでに発表された論文などから抽出しており、新たな情報が発表されるたびにシステムもアップデートされる。

 現在までにAI問診Ubieを導入している200の医療機関にCOVID-19トリアージ支援システムの導入を提案しているという。さらに、これまでAI問診Ubieを導入していなかった医療機関からの問い合わせも増えている。「適切かつ効率的なトリアージの実施は、診療所や病院など医療機関の規模を問わずに抱えている問題だと実感した」と阿部氏は言う。