新型コロナウイルス感染対策として、時限的に規制緩和されたオンライン診療。対応する医療機関、利用者とも急速に増加していると見られている。こうした状況下で、オンライン診療や健康医療相談サービスのプラットフォームを提供する事業者は、規制緩和措置をどうとらえているのか――。LINEヘルスケア 代表取締役社長の室山氏真一郎氏とメドレー 執行役員の田中大介氏が、Coral Capitalが開催した「日本のオンライン診療の最新トレンド」と題したオンラインセミナーで語った。

 「タイムマシンに乗ってやってきた」(LINEヘルスケアの室山氏)、「10年が一気に進んだ感覚」(メドレーの田中氏)――。オンライン診療の特例的な規制緩和が行われたことに対し、両氏はこう表現した。

LINEヘルスケアの室山氏(写真:オンラインセミナーのキャプチャー)

 オンライン診療は、2015年に解釈が拡大されたことを機に徐々に注目され、次々にオンライン診療システムが登場してきた。そのあり方、要件の議論が進む中で、2018年度の診療報酬改定で保険適用され、2020年度の改定では適用疾患の拡大や施設要件が緩和された。

 田中氏はこうした経緯から、「2年に1度の診療報酬改定で少しずつ要件が緩和され、オンライン診療が診療の一形態として当たり前に行われるのは10年後と考えていた」と語る。

 室山氏は、LINEヘルスケアを設立した際、制度規制の多い医療分野では「10年スパンの事業計画で進む」と考えていたという。時限的とはいえ初診への適用が認められるなど、「想定を大きく超える大きな変化が訪れた」(室山氏)とする。

 実際、メドレーの田中氏は、2020年4月10日に初診でのオンライン診療対応が発表されたことで状況が大きく変わったと振り返る。「医療機関からの問い合わせ、引き合いが急増した。事業計画に基づいて医療機関への交渉計画を立て、その達成のためにチームを組んでいたが、一晩にして医療機関への対応体制を練り直す必要があった」(同氏)。