ヘルスケア事業はサステナブルでなければいけない

 2007年からは、特別目的会社として設立した駒込SPC(Special Purpose Company)を通し、がんと感染症の専門病院である都立駒込病院のPFI(Private-Finance-Initiative=民間資金の活用による社会資本整備)事業に乗り出した。

 「患者さんを診療する行為以外の運営協力をしています。例えば、医療機器の保守管理、院内の物品管理(SPD)、ファシリティマネジメントといったものを、都立病院から駒込SPCに外注し、さらに駒込SPCが専門性の高い事業者に委託をして取りまとめています。都立駒込病院以外の公立病院でも、マイノリティとしてPFIに入って一緒に行っているところもあります」(三池氏)。

 医療機器や経営改善サービスを提供していくために、医療従事者と同じような知識や用語を理解してコミュニケーションできるよう継続的に勉強会を開いたり、新しい情報をアップデートしたりすることも欠かせない。また、そうした医療や介護現場に出向し、経験を積んだ社員が、また本社に現場の課題を持ち帰り、商社としていかに課題解決に貢献できるかを考えることも多いという。そこから新たなサービスやビジネスが生まれることもある。

 ヘルスケア分野には大きなビジネスチャンスがあるとはいえ、人の生死を支えていくという大きなミッションを持った特殊な産業だ。一過性のビジネスで終わってしまうものではいけないと三池氏は語る。「ヘルスケア事業の体制やシステムは、サステナブルでなければいけません。医療従事者や介護事業者の方達とずっと接していると、いかに持続可能なものにするかを皆さん真剣に考えているのを痛感します。私たちも同じ志や目線に立たないと事業を一緒にしていけないと感じています」。

 「やはりアジアは成長市場であり、総合商社各社とも非常に注目しています。その中で弊社は、病院の経営者や医療従事者の方々とコミュニケーションをとる中で必要な支援や新しい事業開発のヒントをいただいてきた歴史があります。今後、海外で医療事業を展開する上でも、現地の医療従事者の方々と足並みをそろえた事業展開を大事にしていきたいです」(三池氏)。

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