AIパーソナルトレーナーがノートパソコンに登場

 Web会議ツールを使えば、遠方にいる講師や有名講師のレッスンもグッと受けやすくなる。とはいえ、場所の制約はなくなっても1人の講師が指導できる人数には限りがある。こうした課題の解決に向け、画像認識技術を活用したAIパーソナルトレーナーも登場した。

 マイクロエンタテインメントはイスラエルのスタートアップ企業Kemtaiが提供するAIパーソナルトレーナー「Kemtai」の日本展開を開始すると2020年5月13日に発表した。ノートパソコンのWebブラウザー経由で提供するサービスで、トレーナーによる手本の動画を再生しながら、カメラで撮影する動画からユーザーの動きを認識して手本との差を分析、実際のトレーナーのように「ひじをもっと上げて」「いい調子」といったリアルタイムでのフィードバックを返したり、動きをスコア化して評価したりする。年額は96米ドル(月額8米ドル相当、1米ドル=108円として約860円)とAI活用ならではのコストパフォーマンスを見せる。

AIがパーソナルトレーナーのように声掛けする「Kemtai」
ユーザーの動きを認識して正しいフォームに導いてくれる。Webブラウザーを介して、手持ちのノートパソコンで実行できるのが特徴だ(写真:Kemtai)

 既存のジムやスポーツクラブも手をこまぬいていたわけではない。東急スポーツオアシスは、他社に先駆けて2017年にスマホを使いフィットネス動画コンテンツを提供する「WEBGYM」アプリを開始している。“業界初”としたLIVEレッスン配信アプリ「WEBGYM LIVE」は2019年1月に開始した。ヨガやエアロビクスのほか、バイクやバランスボールなど、家庭にある運動用具を使ったプログラムも用意するのが特徴だ。新型コロナ感染症に伴う外出自粛などに合わせて、2020年2月末には期間限定での有料アプリの無償提供を発表し、2020年3月13日には無料ライブ配信イベントを行うなど、素早く対応した。

 他の大手各社も新型コロナをきっかけに一斉に無料動画公開などのオンラインサービスに踏み切った。例えば、セントラルスポーツは2020年5月11日に、YouTubeで「セントラルスポーツチャンネル」として無料ライブ配信を開始した。チャンネル登録者数は1万人を超え、スポーツクラブ事業と連動する新サービスとして2020年6月の継続実施を決定した。パーソナルトレーニングのRIZAPは会員向けに2020年5月7日にオンラインセッションを開始した。さらに、ショート動画SNSサービスのTikTokやYouTubeで無料動画コンテンツを提供し、新たな集客を狙う。

 ルネサンスは2020年5月15日から、各実店舗の講師が行うZoomを使ったオンラインレッスンを一般に向けて1レッスン550円(税込み)で提供し始めた。2020年6月15日からは月額3300円(税込み)の受け放題プランを導入する予定だ。

 最大手であるコナミスポーツは会員向けに他社のオンラインサービスを2020年6月30日まで無料提供することで、会員のつなぎ留めに注力する。2020年5月9日にトレーナーによるランニングを中心としたセッションの音声生配信サービス「LiveRun」の提供を開始した。2017年設立のベンチャー企業であるライブランが提供するサービスで、トレーナーの音声による生実況を聴きながら各ユーザーが別々の場所でランニングなどのトレーニングに取り組む。また、ヨガなどのオンラインライブレッスンを行う「SOELU」(SOELU)についても会員に向けて2020年5月11日から提供している。今後、オンラインフィットネスサービスを通じて、大手とベンチャーの協力体制が進む可能性もありそうだ。