「第24回 日本医療情報学会春季学術大会」(主催:日本医療情報学会)が、2020年6月5~6日に開催された。当初はつくば国際会議場(茨城県つくば市)での開催を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響を受けてオンライン開催で行われた。

第24回 日本医療情報学会春季学術大会のポスター。当初はつくば国際会議場での開催する予定だった(出所:日本医療情報学会)

 大会初日の特別講演に登壇したのは、複数の省庁にまたがってヘルスケア政策を担う江崎禎英氏(経済産業省商務・サービスグループ 政策統括調整官、厚生労働省医政局 統括調査官、内閣官房 健康・医療戦略室次長)。政府が2020年3月27日に閣議決定した、2020年度から5年間の新たな健康・医療戦略について触れた。

コンセプトは「セルフケア」

 江崎氏はまず、新型コロナウイルスによってヘルスケアに対する国民の考え方が大きく変わったと指摘。感染リスクから患者は、病院の外来診療を避けるようになり、遠隔健康医療相談やオンライン診療の価値に気づいた。加えて、手洗いやうがいの習慣化や体調管理、セルフケアへの関心が高まったと見る。「健康とはまず自分で気をつけるもの。長期継続的に自分自身の健康を把握し、その変化を相談できるかかりつけ医の必要性を実感したはずだ」(同氏)。

 新たな健康・医療戦略は、こうした国民の意識変化を見越して策定したわけではない。しかし、「セルフケアを基本とした健康・医療サービスの確立がコンセプト」(江崎氏)となっており、結果として現在の流れをくんだものになったという。

医療情報学会春季学術大会で講演した江崎氏(写真:オンライン講演の画面キャプチャー)

 過去5年間の健康・医療戦略は、「病気との闘いに主眼を置いてきた」(江崎氏)。主要な疾患に対して適切な治療法の開発や創薬に取り組むことが柱だった。これに対し、新たな健康・医療戦略の柱とするのは「健康長寿社会の形成」だ。