看護師側から「自分たちにセンサーを取り付けて」

このような算定漏れはほかの病院でもありえることでしょうか。

松下 十分にありえます。とくに救急外来の現場は時間に余裕がなく、ドクター個人の頑張りに依存していることも多い。例えば、超音波を当てて異常所見なしとなると、それで終わってしまっているケースがあるのではないでしょうか。

 ちなみに病棟で行われている超音波診断は救急外来と違い算定対象とはなりませんが、医療記録の正確性という面でも不完全と言えますので、やはり記録はきちんと残されるべきだと思います。

超音波診断装置以外の医療機器の購入にも活用する可能性はありますか。

和田 稼働実態の把握しにくさなどは超音波診断装置特有の問題で、まったく同じようにほかの機器も効率化できるかというと難しいのが実情です。しかし、稼働実績をきちんと把握して、機器を計画的に購入していく手法というのは他の機器にも生かせます。

 今回の取り組みでGEヘルスケアから色々な提案をいただいたなかで、医療機器の購入について5年間の計画を立てるというものもありました。きちんと計画を立てて投資を行うというのは企業では当たり前だと思うのですが、病院ではなかなかそういうことができていなかった。それぞれの診療科がいまどういう機器を持っていて、どう更新していくかきちんと計画を立てる。まだ道半ばではありますが、道筋ができたというのはとても意味があったと感じています。

 もちろん、まったくはじめてのことですし、いきなり現場に5年間の計画を立てろと言っても難しいので、サポートできることはしています。できるだけハードルを下げて、より申請しやすい仕組みを作っていくのも我々の義務であり責任だと思っています。

 病院内でもこれまで、こうしたらいいのではないか、といった発想は出るのですが実際にどのようなスケジュールでどう進めていくかとなると、ついつい途中で挫折したり、当初の思いのようにいかなかったりというケースが過去にたくさんありました。その点、GEヘルスケアはときに尻を叩いたり、お膳立てしてくれたりと我々を動かし、当初の計画通り仕組みを作れた。彼らのプロジェクトマネジメント力には、非常に感謝するところです。

人員配置の最適化などへの活用も考えていますか。

和田 病院内での看護師の配置などは特定のルールがあり、大きく動かせません。しかし、その中でも努力をして効率化を進めていかないと働き方を改善できないし、病院として生き残っていけない。データを把握したうえでそこから先はさらに泥臭い努力も必要になっていくと思います。

資材部 部長の和田龍夫氏

中島 実は今回の取り組みがキッカケとなって、看護師側から自分たちにセンサーを取り付けて動きを可視化してほしいという声が上がりトライアルを行いました。普通、センサーを取り付けて動きを把握するとなると抵抗が大きいと思うのですが、負担感が強く現場が改善に強い思いがあったこと、超音波診断装置での可視化に実績があったことで実現しました。

 看護師側から声が上がったこともすごいことだと思うのですが、さらに画期的だったのは、GEヘルスケアがすでに導入されている異なるメーカーの機器(セントラルモニタとベッドサイドモニタ)と看護師の動きを可視化し、分析してくれたこと。象徴的な取り組みでした。