外用薬などの評価のための人工皮膚を開発

 オーガン社の事業の3本目が、外用薬などの安全性・機能性の評価のための人工皮膚の開発で、2017年に同社から発売され、2018年には「中小企業新技術・新製品賞」優秀賞を受賞している。

 医薬品はもちろん、化粧品や医薬部外品も、生体に対する安全性の評価が必要である。従来は動物を用いた試験が行われていたが、欧米を中心として化粧品分野での動物実験禁止の流れが進み、日本でも全面的に禁止されるようになった。

オーガンテクノロジーズ取締役で理研チームリーダーの辻氏(写真:行友重治、以下同)

 これまで人工的に培養した皮膚代替物は、開発、製品化されていたものの、安全性は評価できでも、安定して機能性や有効性までを評価できる製品は十分ではなかった。そこで、同社では第2世代の人工皮膚として、ヒトの皮膚構造と機能を高度に再現した製品を開発した。生体の皮膚のように張りがあり、物質の機能性も調べられる。表面に塗布するだけでなく、下の培養液に入れれば、血液を介した投与も再現できる。化粧品であれば、保湿成分のヒアルロン酸やコラーゲン、角質細胞の形成に必要なフィラグリンなどは、製品により増加の程度に差があり、機能に応じた化粧品の格付けも可能になるとみられる。

 オーガン社は、2016年に毛包や皮脂腺など皮膚の付属器も備えた皮膚の再生にも成功しており、包括的に皮膚機能を再現する生体外皮膚器官系モデルの開発を進めている。辻氏は、「次世代型の人工皮膚を通して、ヘルスケア領域にさらに科学的なエビデンスを得られるシステムを導入し、企業の支援をしたい。世界基準になる評価法ができれば、企業の製品開発は効率的になり、人々の生活がより豊かになるだろう」と期待を寄せる。