アプリを変更することで多用途に対応

 「e-skin Sleep&Lounge」はいわば“センサー”であり、スマホ側のアプリによって用途を変更できる点も特徴の一つだ。「デジタルヘルスケアパジャマ」などは美容や健康のために睡眠を計測する一般向け製品であるのに対して、ほかにXenomaと豊島ではアスリート向けのコンディショニングパジャマを現在、企画しているという。遠征先など、既存の寝具一体型や寝具に取り付けて使う睡眠計測機器では持ち運びが難しい場合に需要があるとみる。

「e-skin Sleep&Lounge」の専用アプリ「e-skin Sleep」の画面。同製品では、温度センサーで検知した寝床温度を元にネット経由での操作が可能なエアコンの温度を調整する機能なども実現している(撮影:Beyond Health)

 一般向けの睡眠計測用途アプリの場合は呼吸や心拍などのセンサーの計測結果を理解しやすいように睡眠スコアや眠りの状態などとして表示するのに対して、アスリート向けのコンディショニング用途アプリの場合は心拍や呼吸数など、アスリートの体調管理に必要とされる詳細なバイタルデータとして提供することを想定する。

 また、「e-skin Sleep&Lounge」の高齢者向け製品への応用も想定している。アプリを新たに開発することで、高齢者住宅・施設向けに一括管理できる製品などを実現できる。例えば、無線通信として搭載するBluetoothを利用した屋内での位置推定機能を追加するなど、高齢者の見守りに適した製品提供が可能になるとする。「寝具式のセンサーと異なり、離床した後に対応できる点が特徴。位置推定機能は、部屋内のトイレに行くだけなら確認する必要はないが部屋を出て徘徊するようなら見に行く必要がある、といった場合の判断に利用できる」(網盛氏)。

ポケットの内側に縫い付けたワッペン型の基板。着脱式のハブを接続して利用する。利用するセンサーはいずれも肌に密着させる必要がないため、一般的なパジャマや部屋着に睡眠計測機能を搭載することができる(撮影:Beyond Health)

 こうした多様な用途に向けたアプリ開発では積極的にパートナー企業との協業を進めていく考えだ。「Xenomaが手掛けるのはセンサー搭載とデータ計測部分。データの解析・分析や表示などはそれぞれの用途に応じて協業した方が早い」(網盛氏)。実は、「e-skin Sleep&Lounge」のアプリでも睡眠解析・アドバイスについては睡眠改善プログラムや睡眠計測デバイス・解析アルゴリズムを開発・提供する睡眠テクノロジーベンチャーのニューロスペースのAPIを活用している。

 「すべてのアプリを自分で作るのは不可能。リアルタイムでデータを収集できる仕組みなど、データを自由に使いやすいようにする仕組みを入れて、何かアプリを作りたいという人にデータを使っていただける体制にしている。そうしなければ用途は広がらない」(網盛氏)。