AIロボ活用で「医療従事者の被曝量が実測値で60%削減」

 慶応義塾大学病院では、PET検査の際の検査室への患者誘導にAIロボットを利用した実証研究を行っている。PET検査ではFDG(フルオロデオキシグルコース)と呼ぶ、グルコースに放射能を出す成分(ポジトロン核種)を組み込んだ薬剤を注射する。

 被験者の体から放射線が出るため、医療従事者が誘導すると微量ながら被曝する。医療従事者の被曝を避けるために、注射を受けた後はAIロボットがガイドする取り組みだ。「医療従事者の被曝量が、実測値で60%削減できることが確認されている」(中村氏)。

がん研究会 がんプレシジョン医療研究センター所長の中村氏(写真:Beyond Healthが撮影)

 こうしたAI活用が医療現場に広がってくると、「医療現場が機械的で冷たくなると指摘する人が多い」と中村氏。しかし、「AIで診療の効率化を実現することで、医療従事者に時間的余裕が生まれる。(その結果として)もっと患者に向き合い、心が通う医療現場を作り上げることが、我々の最終ゴールだと考えている」(同氏)と語った。

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