慶応義塾大学医学部が主催する「第4回 健康医療ベンチャー大賞」(2019年12月開催)の社会人部門で優勝を勝ち取ったグレースイメージング(関連記事:学生・社会人6組が白熱のピッチ、慶応医学部ベンチャー大賞)。汗中の乳酸濃度を計測できるデバイスをコアとするハードウエア系スタートアップだ。数年後に医療機器としての実用化を目指している。起業したのは整形外科医でもある中島大輔氏。同氏にこれまでの経緯とデバイスの強み、今後の展望などを聞いた。

グレースイメージングの中島氏(写真:川島 彩水、以下同)

オフィスは慶応病院内に

中島先生のキャリアは整形外科の臨床医から始まりました。起業のキッカケは何だったのでしょう?

 通算13年間、臨床医として従事してきました。栃木や静岡などで経験を積み、研究のために母校である慶応義塾大学病院(以下、慶応病院)に戻ってきたのは今から5年前のことです。

 以来、たくさんの論文を書いてきました。もちろん、論文の作成は非常に重要な仕事です。でも、自分が研究していることが実際に社会に還元されるまでには高い壁がある──そんな思いとの間で葛藤していたのも事実です。なおかつ、世の中には途中で終わってしまい具現化されない研究がたくさんあることも見えてきた。そこで、良質な技術と自分の研究分野をかけ合わせて世に送り出したいと考えたのがきっかけです。

 ですから、起業に関して興味があることはずっと整形外科の教授に伝えていて。ちょうど大学からベンチャーを生み出そうという機運が後押ししたこともあり、2018年7月にグレースイメージングを設立しました。

 ウエアラブルデバイスによって簡易に汗中の乳酸濃度を計測し、アプリで可視化する仕組みがコア事業です。オフィスは慶応病院内に構えています。臨床、研究と来て今は社長ですから、自分でもよく分からなくなっていますね(笑)。