キャッシュレス決済への誤解

 小売りや飲食業を中心にQRコード決済の導入が加速する中、医療機関はキャッシュレス化の立ち遅れが目立つ。

 総合病院や大学病院の多くはクレジットカード決済が可能になり、iD、Suica、nanaco、楽天Edyなどの電子マネーに対応する施設も増えてきた。医療費独特の後払いサービス(医療費あと払い、CADA決済)もある。半面、中小医療機関の大半は、依然として“窓口での現金払いオンリー”という状況が続いている。お医者さん探しサイト「病院なび」によれば、2019年6月末現在でクレジットカードが使える病院・クリニックは全国で1700軒に届いていない。

 中小医療機関でキャッシュレス化が進まない理由を、小柳社長は「一番大きいのは決済手数料の問題」と指摘する。個人経営のクリニックなどは、クレジットカード会社の信用審査で割高な手数料を設定されてしまう可能性がある。HealtheeOneコレクトでは、クレジットカード会社との交渉で手数料を3.0~3.5%程度に抑えた(審査により異なる)。

 さらに、「決済手数料が何に対してかかるのかよく分からないという声も多かった。医業収益の総額の3.0~3.5%を持っていかれると誤解していたケースもある」(小柳社長)。

キャッシュレス決済の手数料モデルケース(月間)―内科 外来―
モデルケースの手数料は3万1200円。医業収益が520万円の場合、キャッシュレス決済割合と手数料率を高めに見積もっても、手数料は0.6%相当(表:HealtheeOneの資料を基にBeyond Healthが作成)

 実際に手数料の対象となるのは、患者が支払った医療費の自己負担分(基本は3割)のうちキャッシュレス決済を利用した金額だ。小柳社長は上表のようなシミュレーションを示しながら、手数料の負担感を説明しているという。医業収益が月520万円で手数料率が4%の場合、キャッシュレス割合が50%に達したとしても、手数料は3万円程度ですむ計算だ。