自分の分身となるアバターを使って、顔を出さずに遠隔で心理サービスを受けられる──。そんな心理相談サービスの開発が進められている。店舗での販売業務や受付案内にアバターを使用して、非接触・非対面の接客を可能にする遠隔接客販売ツール「TimeRep」を手掛けるUsideUが、東京大学大学院教育学研究科とパーソルワークスデザインと共同で開発する。2020年9月に企業の従業員向けサービスとして提供することを目指す。同サービスを追った。

アバターのイメージ(出所:UsideU、以下同)

 アバター心理相談サービスでは、UsideUのTimeRepを活用して、遠隔にいる相談者と心理士がそれぞれアバターを用いて心理相談を行える仕組みを整える。心理士はパソコンを使って自宅など勤務地を問わずに相談に乗ることができ、相談者はパソコンやタブレット端末、スマートフォンを使っていつでもどこでも相談が受けられる。

 質の高い心理相談を提供するため、アバター心理相談専用の「相談マニュアル」の開発も行っている。アバターならではの会話のプロトコルや、表情・信頼関係・柔和な雰囲気などの作り方といった内容を盛り込むという。「まずは心理相談を気軽にうける“入り口”として使ってほしい」とUsideU 代表取締役社長の高岡淳二氏は話す。

 日本では、心に悩みを抱えている人が、心理相談を受けられる場所に行きにくいという課題があった。特に今回対象としている企業の従業員については、「心の問題を抱えたら、より早い段階で心理相談を受けてもらうことが重要だが、職場で嫌なことがあったから心理相談に行くという発想にはなかなかならない」と同氏は指摘する。

 相談をしたことが職場で広まってしまうのではないかと懸念する場合もある。胸の内を吐露できずに、精神的に不調に陥ってしまったり、退職を余儀なくされたりするケースも少なくない。