「人か、AIか」ではなく、「AIを使う医師か、使わない医師か」

井上 謙一(いのうえ・けんいち)
1999年、旭川医科大学卒業。北海道大学医学部第一外科に入局、消化器外科医として地域医療に従事。2009年、北海道大学大学院医学研究科高次診断治療学専攻博士課程修了。癌研有明病院乳腺外科シニアレジデントなどを経て、2011年から現職。日本外科学会専門医、日本乳癌学会専門医。AIを用いた乳腺画像の解析研究で、日本乳癌検診学会2017年度ピンクリボン賞、第12回「乳癌の臨床」賞優秀賞、第26回日本乳癌学会学術総会のExcellent Presentation Awardを受賞

 マンモグラフィやエコーの画像データは医療機関にたくさん保存されている。眠っている画像データを活用すれば、これまで以上に精度の高いAI診断が可能になる。井上氏は、「その恩恵は正しい診断、早期発見、早期治療、死亡率低下と、患者さんにすべて還元される」とした上で、最後に次のような話を紹介してくれた。

 「2016年、インターネット上で病理医とAIががんの判定を競い合うコンテストがあった。結果は、AIの誤診率が7.5%、病理医の誤診率が3.5%。人間の方がまだ上を行っていると思いそうだが、実は誤診率が0.5%と最も低かったのは、AIを使った病理医だった。『人か、AIか』ではなく、『AIを使う医師か、使わない医師か』で、医療の質が大きく変わる時代になったわけです」。

(タイトル部のImage:加藤 康)