在宅透析のボトルネック解消狙う

 現状でも、在宅で透析治療を受けている患者はいるが、その数はごく限られる。血液透析を受ける場合、現在は在宅専用の装置がないため、医療機関向けの大型装置を水処理装置と共に自宅に持ち込む必要がある。また大量の水を使うので、医療機関で治療を受ければ自己負担がない水使用料を月数万円も支払う必要も出てくる。

 医療機関にとっても在宅で血液透析を受けたい患者に対応する場合は、事前トレーニングのほか、装置搬入や点検のための職員の派遣、さらには自宅で配水管が詰まった場合の緊急対応なども想定されるため、管理の手間を敬遠して積極的になりづらい。

 こうしたハードルがあるために在宅での血液透析を選ぶ人は増えていない。2019年の日本透析医学会の統計によると、その数は760人にとどまる。

 血液透析以外に自宅で受けられる腹膜透析もあるが、こちらは「腹膜荒廃」と呼ばれる臓器への負担があり、8年以上の継続が難しい課題がある。利用者も9920人と全体から見れば少ない。

 小久保氏らは、透析液の再利用により水の使用を減らし、さらに小型デバイスの開発も進めることで、課題を解決しようと考えている。「在宅で受けている人はいいとわかっているが、在宅治療の専用装置がないため、在宅透析は増えてこなかった。そうした状況を変えていきたい」と、小久保氏は言う。