会社に頼らず自らの力で走る「自走人生」の充実をコンセプトに掲げた一般社団法人 定年後研究所が、2018年に設立された。同研究所は50代を定年後の準備段階と位置づけ、その人たちが自身の能力や経験を生かし、自らの価値を創出するための情報やサービスを提供。「定年後の人生(=会社に頼らず自身の力で走る“自走人生”)を豊かにする」支援に取り組んでいる。

 「人生100年時代」──。もうすぐやって来る、当分そんな時代は来ない、という両論があるが、いずれにしても超高齢化が進む中、元気な高齢者の活躍なくして日本の経済・社会は回らない。2019年5月15日に開催された「未来投資会議(第27回)」では高齢者雇用の促進が取り上げられ、議長の安倍晋三首相は「70歳までの就業機会の確保に向けた法改正を目指す」とコメントした(首相官邸のホームページ)。これを実現するには、企業による雇用確保の取り組みと併せて、働く人の意識改革も不可欠だ。これからの高齢者には、少なくとも70歳までの健康の維持と共に、働ける意欲を持つことが求められる。

 だが、「意欲」を保ち続けるのは容易でないと感じる人も多いはずだ。身体的な健康と同時に精神的にも健康を保てなければ、意欲を持って働くことはできない。しかし、前者に対して医療という支援が思い浮かぶのに対して、後者への支援を従来の枠組みの中に見出すのは難しい。

 働くことへの意欲を継続するのが困難な原因の1つに、従来の日本の雇用制度が挙げられる。すなわち「定年」である。定年というゴールまで頑張りさえすれば、あとは老後であり、余生。そう考えて働いてきたのに、ゴールが延長されたら、途端に意欲を失うのは仕方のないことかもしれない。特に、ゴールが見えてきた世代の人々に対して、これまでの意欲を保ちつつ、新たな意欲を掘り起こすためのサポートを提供していく必要があるだろう。

定年後研究所 所長の得丸英司氏(写真:寺田 拓真)

 そうしたニーズから、定年後研究所は2019年5月、脳の健康状態を維持・向上するためのサービスに乗り出した。脳の活動状態を計測しながらトレーニングするプログラム「Active Brain CLUB」(以下、ABC)の販売を始めたのだ(2019年5月9日付、定年後研究所のニュースリリース*1

*1 価格は、「脳トレ」アプリが使い放題のスタンダードコースが、2年間で3万4800円(税別、以下同)、脳トレアプリを含まないベーシックセットが同2万4800円。定年後研究所が運営するポータルサイト「定年3.0」の会員は、それぞれ2000円引き、1200円引きで購入できる。