注目されるSCDとは

 軽度認知障害と言われるMCIの前には多くSCDの状態になることがわかってきている。SCDとは「Subjective cognitive decline」の頭文字をとったものだ。主観的認知機能低下と訳される。

 「症状として表には現れないけど、自分自身が『なんか変だな』と感じる時期のことです。『以前に比べて仕事の効率が起きてきた』『物覚えが悪くなってきた』など、自分自身は感じるのだけど、日常生活に支障はない。そんな状態をSCDといいます」(新井氏)

 ただその程度の症状であれば「疲れ」や「睡眠不足」などでも起こり得るし、日々の精神状態が影響して起こることもあるだろう。脳血管性の疾患などが原因となることがあるかもしれない。

 「例えば物忘れにしてもそれが認知症による物忘れなのか、疲れによる物忘れなのか判断が難しかったのですが、最近では診断技術も上がってきており、ある程度突き止めることができるようになっています。そのひとつがアミロイドPETです」(新井氏)

 脳内のアミロイドβが一定程度溜まっている場合、SCDの症状はアルツハイマーによるSCDであると推測することができるというわけだ。