高齢の母親を持つ会長が一番のモニターに

 プロジェクトの始動は2019年末。研究開発過程では松田会長親子が一番のモニターだった。サンプルを持っていくと率直な感想が寄せられ、新たな検討課題が次々に見つかる。

 「ご高齢の方には複雑な操作は難しいと考え、ボタンは1つにしました。押せばスイッチが入り、もう一度押せば消えるというシンプルな操作です。また、言葉をしっかりキャッチするためにマイクを6カ所まで増やしましたが、干渉が起きてうまく認識できませんでした。音声の収集範囲も重要で、広過ぎると周囲の会話や店内のBGMまで拾ってしまいます。かといって狭すぎると言葉がうまく拾えません。そのあたりのバランス調整に苦労しました」(杉浦氏)

 文字の読みやすさにもこだわった。書体は読み書きが困難な難読症という障害を持つ人にも認識しやすい教科書フォントを選び、背景には紙に近いテクスチャ画像を採用した。さらに、老眼鏡を使っている人が眼鏡着用でも裸眼でも見えるように、文字サイズは自由に調整できるようにした。

フォントや背景色など読みやすさにこだわった。文字の大きさは無段階で変えられる
フォントや背景色など読みやすさにこだわった。文字の大きさは無段階で変えられる
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