より多くの人に便利さを伝えたい

 2021年2月にリリースしたブラウザ表示機能も、専用機ならではの機能と言える。スマホでもケーブルを使えば大画面に表示させることができるが、タブレットmimi/ポケトークmimiの場合はQRコードを読み込むことで、パソコンやスマホなど複数のブラウザの端末で同時に表示することが可能。セミナーや講演、結婚式など、大勢の人に向けて発信する場面はもちろんのこと、遠く離れた相手とのウェブ会議にも応用できる。

 「60代の3人に1人が高齢性難聴だと言われています。これから高齢の方が増加するなかで、聴こえにくさにお悩みを持つ方はますます増えると考えています。聴覚に課題を持つと周囲とのコミュニケーションが減っていくので、そうならないために活用してほしいです」(杉浦氏)

 とはいえ、課題もある。実際に使ってみると、コミュニケーションの支援ツールとして同製品の便利さは実感できるのだが、このツールを必要とする人に十分に届いているとは言えず、必要とする場面の広報も足りない。そんな問題意識から、NPO法人 人工聴覚情報学会(品川区)代表理事である眞野守之氏はソースネクストと連携し、タブレットmimi/ポケトークmimiの利活用の場を広げるべく活動している。

 「従来の音声認識・文字表示ソフトは別途デバイスが必要だったり、パソコン操作が必要だったり、使い勝手がよくありませんでしたが、タブレットmimiは操作性がよく、この端末だけで完結する点が魅力です。ぜひこれを高齢者や難聴者の生活に役立ててほしいと考え、現在は都内区役所にタブレットmimiを啓蒙する活動を行っています。また、聴覚障害者雇用の現場でも役立つとの声もあり、いろいろな場面で活用されることを期待しています」(眞野氏)

 新型コロナウイルスは人と人の距離を遠ざけ、コミュニケーションの在り様を変えた。しかし、こういったデバイスを使うことで、マスクを着用していても、ソーシャルディスタンスを保っても、言葉を伝えることはできる。世界を分断したウイルスに打ち勝てるのは、コミュニケーションを円滑にする技術なのかもしれない。

テキストデータを保存しておく機能もある

(タイトル部のImage:出所はソースネクスト)