65歳以上にインパクトあり

 2021年6月、秋田県のマタギ文化と高齢化問題、このふたつをeスポーツで接着したマタギスナイパーズの募集が始まった。

 参加の条件は秋田県在住で65歳であることに加え、週に1回、3時間程度の練習に参加できること。参加料は無料だ。

 「予想を超えた反響でした。多くの問い合わせをうけ、現在は18人が正式に参加を表明してくれました。週に1度のトレーニングには日によってばらつきはあるものの、毎回10人以上の選手が参加してくれています」(緒方氏)

 高齢者とeスポーツを並べると、すぐに「認知症予防」や「健康のための趣味」といったフレーズが思い浮かぶが、「マタギスナイパーズ」の目標はそこに終始することはない。エスツー代表の須藤晃平氏は「孫にも一目置かれる存在を目指すことで、世代横断型の地域コミュニティの育成につなげたい」とぶち上げた。

 さらに、前出の緒方氏は「マタギスナイパーズが目指すのはeスポーツのプロプレイヤーです」と語る。

 「大会に出場して賞金を狙うというだけでなく、動画配信プラットフォームなどで自身のプレイ動画を配信して収入を得るいわゆるストリーマーなどもお金を稼ぐという意味ではプロです。そのようなところまでを視野に入れて3~4年後を目処にプロ化を目指しています」(緒方氏)

 7月最終火曜日には11人のプロのタマゴたちが集まった。みなさん数カ月前までは未経験者だった方々だ。

 現在取り組んでいるのはフォートナイトというオンラインゲームだ。ゲーム上に設定された島に降り立ち、戦いながらサバイバルを目指すという内容だ。ひとりで楽しむこともできるし、4人までのチームを編成して参加することもできる。

ゲームの仕組みを説明するレモンさん(右)
ゲームの仕組みを説明するレモンさん(右)
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 トレーナーのレモンさんは次のように語る。

 「初日は『フォートナイトとはどういうゲームなのか』という講習からはじめました。皆さん初心者なんですけど、驚くほど飲み込みは早い。こちらの予想を上回る上達ぶりです」

参加者のひとり、EBAちゃん
参加者のひとり、EBAちゃん
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 参加者のひとり、EBAちゃん(68歳女性)は「年齢が年齢なので、集中力、持続力、反射神経を鍛えるのにいい。いつまでも若々しくいたい私の目標にピッタリ。お家で自主練するんですけど、うまくいったときの満足感は最高です」と笑顔をはじけさせた。