薬の飲み方から終活まで情報提供

 イオン高岡店は、次に体操の会が終わる10時以降の時間を活用して、健康関連のイベントが開催できないかを検討した。「人々が集う場がせっかくできたのだから、有益に使いたい」(森川氏)と考えた高岡市も協力、社会福祉法人連絡協議会を紹介してくれた。

 協議会には様々なボランティア団体が登録しており、イオン高岡店で開催する健康関連のイベントに協力してくれた。健康関係の事業を営む民間企業も加わり、下表のような企業・団体との連携が実現。体操終了時間後のイベント開催などにつながった。「市役所の担当課がつなげてくれたのが大きい。市の後押しがなかったら、連携はここまで広がらなかっただろう」と太田氏はみる。

表1●イオン高岡店の主な連携先
高岡市(高齢介護課、健康増進課)
地域包括支援センター
BCストレッチング
カーブス野村店
明治宅配センター
高岡市薬剤師会
済生会高岡病院
日医工株式会社
高岡市社会福祉法人連絡協議会
※「第9回健康寿命をのばそう!アワード」表彰資料より

 高岡市も認知症サポーター養成講座を開催。ほかに、連携先の組織が「正しい薬の飲み方」「感染症予防」といったテーマで講演会を開くなど、それぞれが得意分野を生かして協力している。

 目新しいところでは、市の地域包括支援センターの主催で終活に関する講演会を実施。高岡市は「人生いきいきノート」という、高齢者が記入しながら自分の人生の最期について考え、備えるためのガイドを作成しており、これを活用して終活のアドバイスを行ったのだ。

 済生会高岡病院のスタッフによる健康相談会も企画したが、コロナの感染拡大で実現には至らなかった。感染状況が落ち着けば再開を予定している。太田氏は「今年中、遅くとも今年度中に、地域の医療機関と連携した健康寿命延伸のための取り組みをぜひ行いたい」と意欲を見せる。

地元の自治体や団体などと連携して高齢者の健康づくりに取り組んでいるイオン高岡店(左)。2階建て、店舗面積1万1996m2、専門店13店舗。右の写真は店長の太田敦士氏(写真:2点ともイオンリテール)
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地元の自治体や団体などと連携して高齢者の健康づくりに取り組んでいるイオン高岡店(左)。2階建て、店舗面積1万1996m2、専門店13店舗。右の写真は店長の太田敦士氏(写真:2点ともイオンリテール)
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地元の自治体や団体などと連携して高齢者の健康づくりに取り組んでいるイオン高岡店(左)。2階建て、店舗面積1万1996m2、専門店13店舗。右の写真は店長の太田敦士氏(写真:2点ともイオンリテール)

 イオン高岡店では、参加者に体操の会に継続して通ってもらうための動機づけとしてスタンプカードを導入した。20個スタンプを集めれば、イオンのプライベートブランドのお菓子がもらえる。これが参加の励みになっている高齢者もいる。

 また、今では高岡店のスタッフだけでなく同店に入居している専門店の従業員も加わり、ローテーションを組んで体操の指導者を務めるようになっている。太田氏は、「旗振り役がいなくなっても継続できるように、“後継者”づくりも必要。連携先にもたらすメリットを明らかにできるよう報告会なども行いつつ、中身をいいものにしていきたい」と話す。