客層の変化に合わせ、子供連れ向けプログラムも

 当初、参加者の大半は女性だったが、スタッフが来店客に声をかけるなどした結果、今では男性も3割ほどを占めるようになった。参加回数が増えるにつれて顔なじみもできて会話も弾み、コミュニティの形成がみられるという。

 周辺にはドラッグストアなども新しくオープンしているが、今のところイオン高岡店は特にその影響を受けていないという。体操の会などをきっかけにファンになってくれたお客も少なくないのでは、と太田氏はみている。

 ただ、取り組みの発端となった来店客の年齢層が最近変わってきている。「100円ショップが入居してから、子供連れのお母さんが増えてきている。保健師による『プレパパ・プレママのための相談会』など、より広い年齢層を巻き込める取り組みを考えたい」(太田氏)。

 企業と行政がタイアップしたこの健康づくり・介護予防の取り組みは、厚生労働省の「第9回健康寿命をのばそう!アワード」で厚生労働省老健局長優良賞を受賞した。イオンリテールでは、「いまや小売業は、社会的存在としてライフラインの役割を期待されており、それに確実に応えていくには、積極的に自治体と相互連携して住民のサービスレベルの向上に寄与していくべきだと考えています。高齢者をはじめ、フレイル(虚弱状態)になって外に出るのを控えてしまう人も、買い物ついでにこうした健康づくりに取り組んでもらえれば、心身ともに改善に向けた一助となるのではないか」(北陸信越カンパニー広報グループ)としている。

 高岡市役所の森川氏は、「自分の住む地域にある『通いの場』には行きづらい高齢者もおり、こうした人にとってイオン高岡店はいいコミュニケーションの場になっている」と評価する。高岡市はこうした民間企業による介護予防・健康づくりの取り組みをホームページで紹介するなどして、地域住民や行政に続く実施主体として期待している。

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出典:「新・公民連携最前線」2021年8月5日付の記事より